私の口癖はなんだろう?
思い返してみても、すぐにこれというものは浮かばないのだけれど、せめて人に与える印象がポジティブな言葉であってほしいなと思うのです。
もしあなたの周りに、どんなことが起きても「いいからいいから」と言ってどっしりとかまえてくれる人がいたら、どんな気持ちになるでしょう。
今回ご紹介するのはこちら『いいから いいから 3』。
『いいから いいから 3』長谷川義史作、絵本館、2008 amazon
ある日散歩している時に出会った、きったないじいさん。どうやら貧乏神のようです。
行くところがない貧乏神に、おじいちゃんは言います。
「そうですか。神様ですか。いいからいいから。よかったら、うちにきませんか」
貧乏神を招いたお家はさあ大変。泥棒が入るし、お母さんはお財布をなくすし、お父さんの会社が倒産!?
それでもおじいちゃんは言います― 「いいからいいから」。
その後どうなったのかは、絵本を読んでのお楽しみ。
今、日常はコロナウイルス一色。当たり前に買えたものが買えなくて、イベントは軒並み中止。学校も休校ですね。
普段当たり前だと思っていることが、実は当たり前じゃなかったと思い知らされるのが、こういう非日常な事態になったとき。
悲観的な気分になってしまう今、おじいちゃんの力を少し借りて「いいからいいから」の気持ちになりたいものです。
このピンチに翻弄されるのではなく、まずはしっかりと様子を把握し、それから対応を考えていきたいものですね。
こんなときだからこそ、絵本でユーモアを!
おじいちゃんの力を借りて前向きにまいりましょう。
にこっとポイント
- 悲観的な気分のとき、おじいちゃんの力を少し借りて「いいからいいから」の気持ちになりたいものです。
- 現在5作目まで出版されているこのシリーズ。長谷川義史さんの絵にはどこかに何かくっすっと笑えるものが描かれています。次回作へのヒントとなるようなモチーフもありますよ。とにかく、一冊丸ごと味わってください。
(にこっと絵本 森實摩利子)