ある日、子どもたちが、さつまいもほりにやってきました。「えい!」と、さつまいもを抜いた、そのはずみで、ぽーんと空高く飛ばされちゃったのは、「さつまいもおくさん」です。
『さつまいもおくさん』もとしたいづみ文、市居みか絵、小学館、2018 amazon
さつまいもおくさんは、気持ちよく空を飛んで、鳥たちとおしゃべり。でも、おひさまのそばは、暑くて焼きいもになりそう!…… っと思ったら、今度は、海にまっさかさま。
さて、さつまいもおくさんは、どこに落ちたのでしょうか?
まず、さつまいもを掘ったら出てくる「さつまいもおくさん」が主人公だということが、とてもユニークですよね。
おはなし自体も、奇想天外で、空へ海へと、どんどん場面が展開していきます。
また、どの場面でも、さつまいもおくさんは、とてもいきいきと描かれています。特に、さつまいもおくさんが、「じゃがいもとう」で、スポットライトの中、踊りを披露する場面は、楽しさが読者にまで伝わってきて、すごく魅力的です!
さつまいもの赤い体に、エプロンまで着けている「さつまいもおくさん」は、どの場面でも目立つ存在で、少し離れた場所からでも見つけやすいです。文も、さつまいもおくさんの語り口調で書かれています。見やすく、わかりやすいので、読み聞かせにも向いています。おいもほりの前に読むにも、おすすめの絵本です。
にこっとポイント
- さつまいもおくさんが、土の中から引っ張り出されたはずみで空を飛び、いろいろな場所に行く出来事を描いた、ユーモラスなお話です。
- カラフルで勢いのある絵には、わくわくします。
- 読んだ後で、さつまいもおくさんが、別の場所に飛ばされてしまった物語も、想像してみると楽しいです。
(にこっと絵本 SATO)