『こわす こうじのえほん』サリー・サットン文、ブライアン・ラブロック絵、新谷祥子訳、福音館書店、2019 amazon
「さあ、じゅんびだ よういは いいかい?」安全服に、ブーツに、ヘルメット。作業員の支度の場面から、絵本ははじまります。
準備ができたら、いよいよ解体工事です。まずは、大きな建物に鉄球を当てていきます。「ダーン! メリッ! バキーン!」― とても大きな音です。
続いて、「くるぞ くるぞ おおきな あごだ」と、今度は高所解体機がやってきました。
建物は、どのように壊されていくのでしょう? 街中で、「工事中」の看板は、よく見かけるけれど、安全面から囲いで覆われていたりもして、実際の現場をじっくり見る機会は、普段はなかなかありません。
『こわす こうじのえほん』を読むと、建物を壊すには、どのような機械を使って、どのような作業をするのかなど、工事現場について知ることができます。
また、ブルドーザーや移動式クラッシャーなど、工事現場で活躍する車も、いろいろと登場します。巻末には、工事現場で使われる車について紹介されているページもあります。
「グザッ! ヌゥオーッ」「ガッズン!」「バッボーン!」「ガランガラン」など、いろいろな大きな音が響き渡る工事現場ですが、翻訳しているのは、打楽器奏者でもある新谷祥子さん。音が見事に表現されているのも魅力的です。文字も、ページにより、太さや大きさが異なっていてインパクトがあります。
にこっとポイント
- 建物を壊す工事現場の様子を、わかりやすく臨場感のある絵と音で表現した絵本です。打楽器奏者である新谷祥子さんの音の翻訳が見事です。
- 建物を取り壊して、たくさんの資材を集めた後の展開にも注目です。
- 同じ著者の工事の絵本『たてる こうじのえほん』も、おすすめです。
(にこっと絵本 SATO)