寒い北風の中、小枝にしっかりとみのをくくりつけて動かない、みのむし。私たちのよく知るみのむしの姿です。
でも、その姿はすでに夏の林の中で見られ、約1年、みのむしの姿で過ごした後に、成虫の姿へ変貌を遂げるのです。
『みのむしがとんだ』では、そのみのむしの生態を、1年をかけてじっくりと追うことができます。
『みのむしがとんだ』得田之久作、童心社、2001 amazon
一体、みのむしは大人になったらどんな姿になるのか。必見です。
みのむしの1年を追って
皆さんは、みのむしの正体を知っていますか?
冬に、枯れ枝にぶら下がっている、そのみのの中身の解明までは、あまりされていないのではないでしょうか。
実は、その正体は、「おおみのが」の幼虫です。
冬には、ぶら下がったまま動かないイメージのみのむしですが、なんと夏から秋にかけては、みのから顔を出してはっぱをせっせと食べたり、ぶるぶるっとみのを震わせて相手を威嚇したりと、活発に動きます。
そんなみのむしの様子に、大人も子どもも新鮮な発見があります。
また、この絵本は、1年をかけてじっくりと大人になっていくみのむしの姿にフォーカスしているため、写真のように美しく丁寧に描かれている絵と合わせて、小さいお子さんにもわかりやすいのです。
意外とドラマチックなみのむしの大人までの道のりを、この絵本を通して辿ってみてくださいね。きっとこの冬は、枯れ木に目を向けてみのむしを探すのが楽しみになりますよ。
にこっとポイント
- 冬のイメージが強いみのむしの、意外と知らなかった生態を知ることができます。その成虫になった姿には、驚きが待っているはず。
- あとがきまでぜひじっくり目を通してみてくださいね。雌はなんと、大人になっても羽がないため飛ばず、みのの中で交尾・産卵をするそうです。知られていなかったみのむしの生態に、親子で驚かされるはずです。
(にこっと絵本 Haru)