おおやまさんは、怖い顔をしたおじさんですが、実は、幼稚園バスの運転手さんなのです。
『おおやまさん』川之上英子,川之上健作・絵、岩崎書店、2013 amazon
寡黙でいつも厳しい顔なので、園児たちは怖がってしまって、人気がないのでした。
ですが、ある日、子どもたちは見てしまったのです。
チューリップを見てにっこりと微笑んでいるおおやまさんを……。
古い椅子を直してくれているおおやまさんを……。
運動会で誰より夢中になって応援しているおおやまさんを……。
はじめは「ほんとかな?」と疑っていました園児たちも、おおやまさんの優しい一面を知り、好意をもつようになったのでした。
こういうのは、「ギャップ萌え」とでもいうのでしょうか? 人にはいろんな一面があることを、教えてくれる作品です。
自分の知っている一面だけで相手を判断するのは、実はもったいないことなのかもしれません。
人間関係は、相手のことを知ることから始まります。少し苦手だなと思う人も、別の一面をみると印象が変わるかもしれませんね。
にこっとポイント
- 寡黙で怖い顔の幼稚園バスの運転手・おおやまさんの、「裏」の顔を知り、子どもたちがおおやまさんを好きになるお話です。人にはいろんな一面があることを、教えてくれる作品です。
- 園児のことが大好きなおおやまさん。最後のページでは、卒園式の様子にご注目! おおやまさんのことが、もっと好きになってしまうかもしれません。
(にこっと絵本 森實摩利子)