あなたには怖いものがありますか?
私は、慣れない場所に行くときや初めての人と接するときに緊張して、ビクビクと怖さを感じます。
『ひみつのビクビク』の主人公の女の子には、ビクビクという秘密の友だちがいました。
『ひみつのビクビク』フランチェスカ・サンナ作、なかがわちひろ訳、廣済堂あかつき、2019 amazon
ビクビクはいつもそばにいて、女の子を守ってくれていたのです。
だけど、新しい国で暮らすことになって、ビクビクは急に大きくなり始めました。どんどんどんどん大きくなって、外にも出られないほどです。
学校に行こうとすると、重たいビクビクがぎゅうっと押さえつけるし、休み時間になっても離してくれないんです。
学校から急いで帰ったら、女の子の代わりにご飯を食べてしまうし、ビクビクの寝言が邪魔してぐっすり眠ることもできません。
そんなある日、男の子が自分で描いた絵を見せてくれ、二人は楽しい時間を過ごします。
そして、なんと彼の後ろにもひみつの「ビクビク」がいることが分かったのです。
誰もがみんな、秘密のビクビクをもっている。
そうわかっていても、「私だけなのかな?」と思ってしまうことってありませんか? みんなそれぞれ、苦手なものや怖いものがあるんです。そしてそれぞれが、自分のビクビクとうまく付き合えるよう努力しているんですよね。
にこっとポイント
- 誰もがみんな、秘密のビクビクを持っている― 全ての子どもには、自分の気持ちを表現し、心からくつろいで、友だちと遊ぶ権利がありますということを描いた作品です。
- アムネスティ・インターナショナル英国支部の推薦を受けています
(にこっと絵本 森實摩利子)