お客さんを乗せてバスが走ります。バス停が近づくと「つぎは、もりの いりぐち~」とアナウンス。すると、プーっとブザーが鳴りました― 「つぎ、とまります」。
『つぎ、とまります』村田エミコ、福音館書店、2013 amazon
バスから降りてきたのは、たぬきのきょうだいでした。
バスは、森の中を走ります。「つぎは どんぐりやま~」、プーっとまたブザーが鳴って、「つぎ、とまります」。さて今度は、誰がバスから降りてくるのでしょうか。
バス停に止まるたびに、どんな動物が降りてくるのかとわくわくするのはもちろんですが、文章も、次のバス停の案内アナウンスやプーというブザー等がシンプルに書かれていて、そのくり返しが楽しめます。
また、バス停の名前が「どろんこいけ」「こんぶはらっぱ」「まっくらよこちょう」など、ユーモラスなのも注目ポイントですし、バスを降りた後に、みんなが「ただいまー」「おかえりー」とあいさつを交わすところには、あたたかい気持ちになります。
絵は、全ページ版画で描かれています。たとえば、こちらは、冒頭のたぬきたちがバスから降りてくる場面です。
表情が豊かなだけでなく、背景の木々の葉の様子など、細かいところまで描かれていて、魅力的ですよね。よく見ると、お客さんたちが降りた後食べる「ごはん」もわかります。
バスに乗ると、バス停が近づくごとにアナウンスがあること、降りたいバス停が近づいたらブザーを押すと止まってもらえることなどがよくわかるので、子どもが初めてバスに乗る前に読むにも、おすすめの絵本です。
にこっとポイント
- 森を走るバスから、お客さんが次々と降りていく、版画で描かれたバスの絵本です。バスの窓のシルエットが、誰が乗っているかのヒントになっていますよ!
- 子どもが初めてバスに乗る前に読むにも、おすすめです。
(にこっと絵本 SATO)