『もしも宇宙でくらしたら』山本省三作、村川恭介監修、WAVE出版、2013 amazon
『もしも宇宙でくらしたら』は、ほんの少し、未来のお話です。小学生の光くんから、お手紙が届きました。
おとうさんが 宇宙ステーションではたらくことになったので、かぞくも いっしょに 宇宙へ ひっこしました。ぼくの 宇宙での一日を 日記にかいたので 読んでみてください
まずは、朝。リリリリリ…。目覚まし時計を止めるボタンをぐいっと押して、体ごと飛ばされてしまう夢をみた光くん。
宇宙では、気軽にボタンは押せません。ベッドにも寝ることができないので、壁に取り付けられた寝袋で眠るのです。
それでは、宇宙でトイレをするときは、どのようにするのでしょうか? 顔を洗うときは?着替えは? 食事は?
光くんの生活に、興味を持った人は、この絵本をぜひ読んでみてください。
無重力の宇宙の暮らしを、体験してみよう!
先日、国際宇宙ステーション(ISS)から、無事帰還した野口聡一宇宙飛行士。そして、現在、国際宇宙ステーションに滞在中の星出彰彦宇宙飛行士。
日本人宇宙飛行士たちの華々しい活躍に、今までよりも、ずっと宇宙を身近に感じるようになったという人も多いのではないでしょうか。
『もしも宇宙でくらしたら』の監修をしている村上恭介さんも、NASAや米国大手企業の研究者たちと、宇宙ステーション、月面基地等、宇宙建築の共同研究にも参加されていた方です。
そのためか、「もしも」の宇宙での暮らしも、科学的な視点を持ちつつ、子どもでもイメージできるくらい、とてもリアルに、具体的に描かれています。
たとえば、朝起きてから、夜寝るまで、何時の出来事なのかが一目でわかるように、文の横に小さく時計が描かれていたり、各ページで「おもさのない宇宙」「無重力と水」「無重力のわけ」などの解説があったりします。
そのため、「無重力では、こんな感じ」というのがわかりやすく、絵本の中で光くんが紹介したこと以外のことでも、子ども自身で想像をふくらませることができるようになっています。
読んだ後で、もし宇宙ステーションに行ったらやってみたいことなど、いろいろと考えてみても楽しいですよ!
にこっとポイント
- 宇宙ステーションで暮らす小学生、光くんの一日がわかる絵本です。科学的な視点から、子どもでもイメージしやすいように具体的に描かれているので、無重力の世界について学べます。
- 見返しの宇宙ステーションの全体図や、裏見返しに描かれた宇宙でつかう道具にも、注目です!
- 「もしも」シリーズは、ほかに、『もしも月でくらしたら』『もしも恐竜とくらしたら』があります。
(にこっと絵本 SATO)