PICK UP! 大人も読みたい絵本

海の水を手ですくっても、ちっとも青くないんだ。

ムーミンのふしぎ
『ムーミンのふしぎ』トーベ・ヤンソン原作、松田素子文、スタジオ・メルファン絵、2009  amazon

ある日、ムーミンは気づきました。一度心に芽生えたふしぎは消えず、「うみの いろの ひょうほん」を作りたくなります。

ムーミンママがお鍋で木の皮を煮ていたときには茶色かったのに、一緒に煮ていた布が乾くとピンク色になるふしぎ。水をかけると美しく見えたのに、乾くとただの石ころに見えてしまう魔法みたいな石のふしぎ。

ムーミンが、おなじみの仲間たちと共に、身の回りの色のふしぎに出会い、大切なことに気づいていくお話です。

ムーミンたちと見つけたい、毎日を丁寧に過ごしたくなるコツ

日常のちょっとしたことに気づき、その本質を優しくすくい上げるような物事の見つめ方が、ムーミンたちの大きな魅力。子どもにも見やすく、読みやすく作られたこの絵本でも、その魅力が十分に発揮されています。

中でも、この絵本のスナフキンの言葉が心に響きます。

ほしいとおもったら、ぼくなら まず、それをとにかく じっと みるね。そして、それをたいせつに あたまの なかへ しまうんだ。そうすれば、そいつはなくなったり しないし、こわれたりも しない。もちすぎて おもくなることも ない。いろが なくなる ことも ない。

「映え」という言葉も流行り、カメラアプリなども多用される昨今ですが、大切にしたいと思ったもの、その一瞬の輝きをどう自分の中に残していくのか、そのヒントをこの絵本は与えてくれるはずです。静かに物事を見つめてみたいとき、ぜひこの絵本を手にとってほしいと思います。

自分にぴったりのムーミン絵本を探してみよう

ムーミン絵本は、さまざまな形で数多く出版されています。

ムーミンのおはなしえほんシリーズ(徳間書店)

ムーミンのおはなしえほんシリーズ
表紙の装丁も加工が施されていて、きれいで丁寧なつくり。シックな色合いが特徴です。少し文章が長いのですが、絵本に慣れてきているお子さんなら、4歳頃からOK。作者オリジナルのイラストが使われています。本物の絵に触れたい方は、こちらがおすすめです。

ムーミンのさわってあそぶえほん(徳間書店)

ムーミンのさわってあそぶえほん
ボードブックで、厚く作られているので小さい赤ちゃんでも安心して読めます。手触りを楽しんだり、ことばや数に親しんだりすることができます。20cm以上あるので持ち歩き用としては少し重いかもしれません。

ムーミンオリジナル絵本(講談社の創作絵本)

ムーミンオリジナル絵本
トーベ・ヤンソンの「ムーミンシリーズ」を元に編集・出版されたもの。シンプルな色合い、はっきりとした絵柄で、子どもにも見やすく作られています。4歳くらいのお子さんから、ムーミンの優しくてあたたかな世界に触れたい方に。

講談社は、他にも翻訳絵本、文庫など、ムーミンに関する書籍を多く出版しています。

その他、筑摩書房からはコミックスが出版されています。文章の多さ、文字の大きさやお話の難易度を見ながら、ご自分やお子さんにぴったりのムーミン絵本を探してみてください!

2020年は、ムーミン75周年! 絵本以外で注目したいのは?

フィンランドで生み出され、長く愛され続けているムーミンたち。原作やアニメ、またはグッズでご存じの方も多いのではないでしょうか。ムーミン75周年の今年は、絵本以外にも注目したいものが目白押しです。

新作アニメ

フルCGアニメーションで、新作アニメが製作されています。2020年2月にBlu-ray &DVD発売、すでにDVDレンタルはスタートしています。スナフキンの声を担当しているのは、なんと俳優の高橋一生さんです。

ムーミン展 〔全国巡回中!〕

現在、ムーミンの原画展が全国巡回中です。名古屋、石川、大分、東京はすでに終了してしまっていますが、2020年4月から岩手で開催予定です。

ムーミンバレーパーク

埼玉県の飯能市に、ムーミンの世界が現実に現れたようなテーマパーク「ムーミンバレーパーク」があります。


オープンして、もうすぐ1周年。パーク内はとても広く、ムーミンの家やスナフキンのテントを巡りながら、ムーミンたちを身近に感じることができます。お土産もかわいいものばかり!

ムーミンバレーパーク

絵本をもっともっと楽しむために……

絵本そのものを純粋に楽しむことはとても大切ですし、それが一番です。でも、別の形でその絵本の世界に触れ、登場人物たちを見て感じることができたら、それは絵本の世界にさらに深く入っていけるきっかけになるのではと思うのです。

実際に、我が家の子どもたちもムーミンバレーパークに行ってから、「スナフキンが吹いていたから」とハーモニカに大ハマり。

お話の登場人物たちが出会う物語を、私たち読者は追体験しています。「あの絵本の○○が頑張っていたから、ぼくも勇気を出してみよう!」「○○のように優しくなれるかしら」などと、心の中で絵本のキャラクターたちが根づき、出会う世界が広がっていけば、私たちの毎日はさらに豊かになっていくのではないでしょうか。

にこっとポイント

  • 身の回りの「いろ」の不思議について、ムーミンと一緒にじっくりと考えることができます。
  • 同じ「ムーミン」でも、さまざまな絵本があります。自分にぴったりの絵本を探してみてください!
  • アニメやテーマパークなどさまざまな形で登場人物たちに触れることは、絵本の世界にさらに深く入っていけるきっかけになるのではと思います。

 

(にこっと絵本 Haru)

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