PICK UP! 空のきれいな季節に……「飛ぶ」絵本
へびながすぎる

『へび ながすぎる』ふくながじゅんぺい、こぐま社、2022 amazon

「へび ながすぎて だれも これが へびだなんて きづかない」

へびながすぎる_中ページ1

最初に驚かされるのは、見開きいっぱいに、緑色のへびの長い体がからまり合うように描かれている場面。

これだけ長いと、さすがに「へび」という印象はなくなり、むしろ緑色をしたロープにしか見えなくなっちゃう。それをねずみやうさぎなどの動物たちが工夫し、いろいろな遊び方を見せてくれます。

ねずみは、「えっチュら おっチュら」みんなで持ち上げ、すべり台にして遊びます。うさぎもへびとは気づかず「よいしょ よいしょ」とみんなで運んで、長なわとびを始めました。

へびながすぎる_中ページ2

『へび ながすぎる』は、なが~いへびで、へびとは気づかずに楽しく遊ぶ動物たちが、ユーモアたっぷりに描かれた絵本。ページをめくるたび、「なるほど、そういう遊び方もできるんだ」と、わくわくしてくる展開です。

特に、小さなねずみから大きなゾウまで様々な動物が入り混じって、みんなでプールで遊ぶ場面は、とても気持ちよさそうで、「へびの体」ということも忘れて、一緒に遊びたい気分になります。

へびながすぎる_中ページ3

横に長い絵本サイズを活かした絵と、シンプルな文も魅力です。

また、この絵本に挟み込まれた「作者のことば」には、こんなふうに書かれています。

あたりまえすぎて見落としがちな事はたくさんあります。どんな事にも不思議だな? なぜだろう? という視点は大切にしたいものです。よく観察し考える。この絵本のオチはそんな思いで描きました。

ぜひ親子で、友達同士で、絵本を手に取ってオチを確認してみてください!

にこっとポイント

  • 長すぎるへびに、誰もへびと気づかず楽しく遊ぶ動物たちをユーモラスに描いています。幅広い年齢層で、繰り返し読みたくなる絵本です。
  • 長すぎるへびを使って、自分だったらこんな遊び方をしたいと想像してみるのも楽しいです。

(にこっと絵本 SATO)

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