PICK UP! ハロウィンに読みたい絵本

『ばんごはんえき』の表紙には、駅のホームで横一列に並ぶ家族が描かれています。その手には、おわんやお皿などの食器をのせたお盆。

ばんごはんえき

『ばんごはんえき』石崎なおこ作、田中六大絵、教育画劇、2023 amazon

右手側からは、列車がやってきているのが見えて、わくわくしてきます。

ページを開くと、見返しにも4コマの絵が! どうやら帰宅途中のお父さんが、道で配られていた「ばんごはんえき」オープンのチラシをもらったようです。

家に帰ったお父さんの、駅に行ってみようという提案に、家族は賛成。お父さん、お母さん、ゆうくんと、猫のタマも、食器を持って駅に向かいます。

駅に着くと、駅長さんに1番線ホームを案内されました。そして、そこにやってきたのは、なんと「すいはんきれっしゃ」です。

1号車は白いご飯、2号車はわかめご飯、3号車は松茸ご飯、4号車はお赤飯、5号車は鳥ごぼうご飯。「おすきなごはんを おえらびください」と声を掛けられ、みんなそれぞれ好きなご飯を選びます。

続いてホームへとやってくるのは、おなべ列車です。今度はどんな料理でしょうか。『ばんごはんえき』は、食べものと乗りものが両方楽しめる、ユーモラスな絵本です。

列車が次々と運んでくる晩ご飯はとってもおいしそうで、読者も、ゆうくん家族と一緒に、食べたいものを選ぶことができるのが、最大の魅力です。

また、さまざまな発想がおもしろく、たとえば「すいはんきれっしゃ」では、大きな炊飯器にご飯が入ったままで運ばれてくるのです。

さらに、「ばんごはんえき」オープンのチラシに、お盆やお茶碗などを持ってくるようにと書かれていたり、ゆうくんたちが駅まで歩く道筋に「レストラン ウマーイ」があったりと、見つけると嬉しくなるような工夫が絵の細かい部分にまでなされているので、繰り返し絵本を開きたくなります。

あなたも「ばんごはんえき」に、行ってみませんか?

にこっとポイント

  • おいしそうな晩ご飯をのせた列車が次々と到着する「ばんごはんえき」のおはなし。登場する料理は、湯気まで描かれていて、あたたかさが伝わってきます。
  • おはなしは、裏見返しにも続いているので、お見逃しなく!

(にこっと絵本 SATO)

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