目が見えにくくなりました。
ずっと視力が良かった私も、お年頃でしょうか。眼鏡が必要になってきました。物がはっきり見えないことのストレスって、想像以上のものなんですね。
眼鏡を作ろうと入ったお店で、この作品と出会いました。
『めがねこ』柴田ケイコ作、手紙社、2016 amazon
めがねこのお店は、ねこの眼鏡を売っています。
おしゃれな眼鏡や、機能的な眼鏡。めがねこがつくる眼鏡は大人気です。
ある日、疲れて椅子でウトウトしていると、何か物音がします。
目を覚ましためがねこは、眼鏡を盗もうとしているネズミ3兄弟を発見したのでした。
追い詰めたねずみは、お母さんの目が悪くて元気がないことを話します。
ねこの眼鏡では大きすぎるし、盗みはしてはいけないと話すめがねこでしたが、ねずみたちが帰ったあと、めがねこはコツコツとメガネを作り始めます。
それは、ネズミのお母さんにぴったりの眼鏡でした。
眼鏡をかけたお母さん、子どもたちの顔がしっかり見えると涙を流します。
眼鏡使うことで、楽しい毎日を送ることができるようになった一家を、めがねこは、目を細めながら見守るのでした。
目が見えた時のネズミのお母さんの喜びは、見開きいっぱいに描かれているのですが、その涙は胸にジーンと響きます。
作者は、パンどろぼうでお馴染みの、柴田ケイコさん。この作品が、デビュー作なんです。
眼鏡をかけないといけなくなった人の、不安な気持ちを明るくしてくれる作品です。続編の『めがねこのぼうけん』もおすすめです。
にこっとポイント
- 眼鏡をかけないといけなくなった人の、不安な気持ちを明るくしてくれる作品です。
- 高知県立文学館で2月4日から3月26日まで、『柴田ケイコ展〜ちゃかぽこカーニバル〜』が開催されます(詳しくはこちらから)。観光も兼ねて、高知にいらっしゃいませんか?
(にこっと絵本 森實摩利子)