『おにたくんのおにぎり』はしもとえつよ、ひさかたチャイルド、2021 amazon
ある日、おにの家族が、人間の町へ引っ越してきました。
お父さんは、雲の上で人気のおにぎりやさんでした。もっとたくさんの人に喜んでほしくて、この町にやってきたのです。
子どものおにたくんは、近所の園に通うことになったのですが、緊張してみんなと話すことができません。
しかし、お弁当の時間、お父さんが握ったおにぎりに、「おにたくんの おにぎり おいしそう!」とみんなが集まってきてくれたおかげで、話をすることができました。
「こんど みんなの ぶんも つくってもらうね」と、約束したおにたくんでしたが、お父さんは勘違いしてしまって……。
「おに」と聞くと、ちょっぴり怖いイメージを持つ人もいると思いますが、このおはなしに登場するのは、内気なおにたくんに、元気なお父さん…… 、などととても好感が持てるおにたちです。
まず、感心したのは、引っ越してきたときに、ちゃんと家族3人そろってごあいさつしたことです。
そして大きな体に角が2本のお父さん。体こそ大きいのですが、おにぎりを握るときには、「おにの おにぎり にーぎにぎ はっ! パワーを こめて にーぎにぎ はっ!」などと歌うチャーミングな一面もあります。
そして何といっても「おにたくん思い」なのが素敵です。息子と息子のための特別なおにぎりに、喜ばない子はいないはず。
おはなしを読み終わった後に、どんなおにぎりが好きか、どんなおにぎりを食べてみたいか等、いろいろと親子で会話すると、楽しさ倍増ですよ!
にこっとポイント
- 人間の町へ引っ越してきたおにぎり屋の「おにたくん一家」のおはなしです。どのページも、とてもカラフルな絵で、明るく楽しい雰囲気の絵本になっています。
- 怖いイメージおにが、苦手な子どもにもおすすめです。
- 奥付のページには、作者のおにぎりの思い出も書かれています。
(にこっと絵本 SATO)