本屋さんからの帰り道が楽しくなる、絵本の持ち帰りバッグをご紹介します。
絵本専用、ゾウさんのお持ち帰りバッグ
紙製のクリーム色をしたゾウさんの絵本バッグ「ride an elephant」。
厚めの紙を使用して破れにくく。大きさがまちまちでもたいていの絵本が入るよう、サイズは大きめに。紙なのでやはり軽く、さらりとした手触りです。
そして、一番のポイントは、くり抜かれたゾウさんの耳や目から、絵本の表紙がちらりと見えること。ちらりと見えるから、うれしくて、絵本を開くのが待ち遠しくて、家に持ち帰る時間さえも楽しくなる……。
子どもが絵本と出会うとき、それは大切なおともだちとの出会いと同じです。
その出会いをもっと特別に― 「ride an elephant」には、そんな思いが込められています。
「ride an elephant」と開発者・ペレカスブック 新井由木子さん
「ride an elephant」を開発したのは、埼玉県草加市にあるペレカスブック店主の新井由木子さん。
新井さんは、地域の本屋さんが閉店していく様を目の当たりにし、「自分の住む地域に本屋さんが欲しい!」と2016年にお店をオープンさせました。
実店舗の経営が厳しいのはもちろんわかっていましたが、それでも地域に本屋さんは必要だという思いと、なにより、大好きな本たちを「売りたい!」という気持ちがありました。
「本で何かおもしろいことを仕掛けたい!」と、「絵を着る」という布に絵を描いたり、おめんをつくったりするワークショップなどの様々なイベントを開催します。
そして、お店に来る小さなお客様たちがうれしそうに絵本と出会っていくのを見て思いついたのが、この「ride an elephant」でした。
「子どもと絵本との出会いを特別に」と、子どもと絵本への思いをたっぷりと込めた絵本バッグ。一度は完成させたのですが、紙と形にこだわり改良し、絵本2・3冊が充分入る、ゾウさんの絵本バッグ「ride an elephant」ができあがりました。
持ち帰るときだけでなく、お家でも存在感ばっちり。中身を入れ替えるのはもちろん、ごっこ遊びに使ったり、お片付け箱にしたりしても。子どもが絵を描いてオリジナルの絵本バッグにすることもできます。
子どもの周りにいる大人の皆さん、「ride an elephant」で、子どもと絵本との出会いを特別に演出してみませんか?
絵本を愛する店主・新井さんとの出会い
私・竹村が初めて新井さんに出会ったのが2016年。お店もできたてホヤホヤで、私も絵本専門士に認定されたばかりでした。
絵本専門士養成講座を受講して思ったのは、自分の住む地域で何か本に関わることをしてみたいということでした。そこで引っ越したばかりの草加の地域のことをパソコンで調べてみると、オープンしたてのペレカスブックが見つかったのです。
ドキドキしながら、お店をたずねてみると、とてもとてもおしゃれなカフェの中にペレカスブックはありました。初対面の新井さんはとても声のかわいい人。店内をうろうろする私に小鳥のような声で「本がお好きなのですか?」と聞いてきます。
「そうなんです。特に絵本が好きで、絵本専門士も受講したのです。」と私が答えると、新井さんは絵本専門士をご存じでした。
そのとき、私は知らなかったのですが、新井さんは文芸誌等の挿絵の他にも、絵本『まんじゅうじいさん』と『おめでとうおばけ』の2冊を上梓されている、絵本をとても愛する方でした。
店内にも、ペレニャンというペレカスブックのロゴになっている絵や新井さんの絵が飾られています。
書店店主としての思い
ある日、私がいつものようにペレカスブックに行くと、新井さんが言いました(聞いてもいないのに!)。
「本が少ないでしょう。本の仕入れに送料がかかるようになってしまって、無駄のないように注文をためているの。」
まるで乙女が恥じらうように言っていましたが、次の言葉で新井さんの心根を感じました。
「やはり誰かの負担になるやり方は、なんでも長くは続かないよね。 取次と書店との間で、運送屋さんが我慢していた部分がきっとあるんだよね。 それに気づかずにいた、私たちもいけないんだよ」 取次というのは、出版社から書店へ本を届ける会社のことです。
そんな新井さんが開発した「ride an elephant」は、取扱店にも利益が出るように価格設定がしてあります。
絵本と子どもへの思いと、「最初から紙しか思いつかなかった」という新井さんの紙へのこだわりがつまった絵本バッグ。絵本を愛する人にぜひ手に取ってもらいたいです。
「ride an elephant」は現在、ペレカスブックの他に京都の絵本カフェ Mébaé(めばえ)、東京のブックハウスカフェでで購入することができます。
住所:埼玉県草加市高砂1-10-3カフェコンバーション内
営業時間:11:00~19:00
定休日:不定期
HP:http://www.pelekasbook.com
Facebook:https://www.facebook.com/pelekasbook/
Instagram:https://www.instagram.com/pelekas_book/
連絡先:pelekasbook@gmail.com
(寄稿:絵本専門士<埼玉県>竹村真樹子)