PICK UP! ハロウィンに読みたい絵本

高雄は、台湾南部に位置する、人口約280万人の大都市。町も人も活気がありエキサイティングで、とても優しい人が多く、明るい! そして、皆日本語がうまい!! そんなところです。

友人を訪ねての旅行中、宿泊したホテルのホテルマンが、「高雄には素晴らしい図書館がある」と(ドヤ顔で)言うので、興味が湧き、お邪魔することにしました。

「デパート?」と錯覚するほど、ゴージャスな外観

高雄市立図書館は、カフェがあるだけでなく、最上階では演劇やコンサートが楽しめます。屋上からは高雄の都市が一望できます。

これが図書館の外観。ガラス張りです。

高雄図書館外観

こりゃー、ホテルマン、ドヤ顔になるわ!

 

しかも、夜にはライトアップされます。高雄は、夜は町中ライトアップされているので、とてもきれい。

高雄図書館ライトアップ

高級ホテルみたいだ!

 

これほどまでに立派な高雄市立図書館ですから、やはり観光名所の一つになっています。なんと、台湾国内でベスト3に入る観光スポットとも言われているのだそう。道も京都のように区画整理されており、しかも周りには、日本でも有名なSOGOや新光三越など大きなデパートがあるんです。

工夫がいっぱい、使いやすそうな館内

中に入ってみると、紺色の制服を着た、司書と思われるかわいい女性がカウンターにいました。

館内もとてもきれいで、聞けばこの図書館ができたのは、2014年に建てられたばかり。新築同然です。入口には、本の感想や内容などのヒントを書いたタグが添えられた本が置いてありました。

高雄図書館の工夫

日本語もありました。

高雄図書館入口

入口にでーん!

 

友人によると、台湾の図書館では、大学生であれば台湾全土の図書館を利用できるとのこと。つまり「この本が読みたい!」とリクエストすれば、どこからでもお取寄せができるという素晴らしい制度なのです。しかも無料ですよ!

友人も、この特典を活用したそう(友人夫婦はめちゃくちゃ頭が良く、台湾の難関大学を卒業しています。なにより私の失敗が大好物なのですが、 実はこの時、私は連絡ツールであるスマホを日本で留守番させていました……)。

そして、どの階に行くも、パソコン使い放題、勉強用のテーブルがあちこちにありました。

愛らしくさわやかな、児童コーナー

地下1階は児童コーナー、子ども向けの本が置いてあるスペースです。ガラス張りの入り口で、緑色の動物たちが迎えてくれました。なんということでしょう、このかわいさ! 見てください!!

高雄図書館児童コーナー

ガラスには昔話が……かわいいですね。日本の公共図書館は、まだまだ、一般と児童のコーナーが同じフロアで、児童コーナーの声がうるさいと言われるようなことも多いでしょう。高雄市立図書館は分離されているので、そのようなことは少なそう。

 

カウンターの女性に聞くと、やはり、「うるさいなどのクレームはない」とのことでした。さらに、「お休みの日は、とてもにぎわいますよ」と笑顔で答えてくれました。

高雄図書館児童コーナー入口

 

高雄図書館児童コーナー入口

奥に入ると、ピンク色の円形のクッションがありました。友人に何かと聞くと、「横になって絵本を読んでもいいんだよ」とのこと、よく見てみると横になって絵本を読む親子がいました。「日本にはこんな発想ないわ~」と感じました。

高雄図書館児童コーナー

家にいる感覚で、リラックス (写真はパンフレットより)

子ども用の自動貸出機もあります。

子ども用自動貸出機

かわいい!台湾らしいデザイン。

 

この他にも、ロッカーや本を消毒する機械もあります。トイレも、子どもに対応できる設備が整っています。

私も参加したい! 読み聞かせ

読み聞かせは、すべて英語。台湾は、英語が話せて当たり前で、さらにその他の言語を話せないといい仕事に就きにくいといいます。確かに町中に、沢山の外国語の塾を多く見かけました。

高雄図書館読み聞かせポスター

発見! 読み聞かせポスター

 

そのせいもあってか、高雄市立図書館にも、沢山の言語の絵本があります。東南アジアやヨーロッパなど、世界各国の絵本が豊富に揃えられています。国際絵本センターという機能があるようです。

また、読み聞かせのほか、親子絵本講座、勉強会、ワークショップや小劇場のようなものがありましたが、残念ながら、当日は見ることができませんでした。絵本センターの図書を題材として、劇やパフォーマンスなどするようです。いつか仲間たちとできたらいいな、と思いました。

高雄市は、子どもたちの未来を考えている

私は、図書館に行けば、その土地の文化度、教育度がわかると考えています。高雄市立図書館に行き、高雄市はより高いところをめざしているのだと実感できました。

本の冊数がめちゃくちゃ多いこと。多いだけでなく、多言語を揃え、英語の読み聞かせもしていること。機械にも遊び感覚で触れさせていること。屋上にはお庭があり、芸術鑑賞でき、感性にも磨きをかけていること。

税金を、正しく子どもたちに還元をしているのだと思います。いい図書館でした。

この旅でお世話になった台湾の友人と台湾の人々に、恩返しとして、「台湾の子どもに(日本語だが)読み聞かせがしたい」という夢ができました。

 

高雄市立図書館(台湾)

住所:No.61, Singuang Rd., Cianjhen Dist., Kaohsiung City 80661, Taiwan
TEL:+886-7-5360238
ホームページ: http://www.ksml.edu.tw/eng/index.aspx
※詳細は、必ず高雄市立図書館にお確かめください。

 

(寄稿:絵本専門士<沖縄県> 森島幸代)

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