ある夏の夜、命の水(ハイボール)を楽しんでいる時に、驚くべき速報が入った!
「花栗鼠繪本館が閉店する」と。しかも期日は、2021年9月30日。
脳内がおかしくなり、「おいおい、エイプリルフールかジョニー?」とアメリカンギャグも出る始末。
調べると、本当に、「閉店」の記事がある。おおおおおおいいいい、まじか! コロナが終われば絶対に行くと心に決めていたのに……。驚きも、ハイボールも止まらない。
では、ここから少しでも多くの人に知ってもらいたい、「花栗鼠繪本館」のことを紹介します。
花栗鼠繪本館は、台湾の絵本屋さんの代表格。英語、中国語、日本語の絵本を多く販売しています。私は、2019年2月に絵本専門士の仲間と訪問しました。
ちょうどこのとき、台湾とシンガポールの絵本作家が共同で作り上げた絵本『我們一起玩好嗎?』の、作家さんたちのサイン会がありました。「みんな仲良く」と平和を愛するような、素敵な内容です。
『我們一起玩好嗎?』(Peace, will you play with me?)Josef Lee、海狗房東、小光點、2019 博客来
店員さんはとても親切。店内に入った瞬間、絵本で興奮して大騒ぎしてしまっていたのに、笑顔で対応してくれました。絵本を買うときに「内容がわかりますか?」と聞いてくれ、自信を持って「No!」という私に、絵本の解説や内容の説明もしてくれました。
さらに、「写真撮りましょうか?」との、ありがたいお声かけ。もちろん大きい声で「Yes!」と答えました(大きい声で、答える日本人なのでした)。
青い服を着ている方がンガポールの作家・Josef leeさん。今は、コロナの医療関係者の方に、素敵な絵を描いていますよ。帽子をかぶっている方は、台湾の絵本作家・海狗房東さん。台湾では有名な作家さんです。ちなみに、お二人ともめちゃくちゃ紳士でした!
ところで、花栗鼠繪本館には、店員さん独自のプログラムもあるそうです。年齢ごとに絵本をおすすめし、年齢別のおはなし会も定期的にしているとのこと。
季節ごとに子ども向けに楽しいイベントも企画して楽しんだり、絵本の専門家のお話を聞いたり……。お店の方に聞けば、日本の絵本作家さんが何度か来たこともあるそう。
さらに、さきほどご紹介したような、絵本作家さんのサイン会、絵本の通販もあり、おまけに花栗鼠絵本館のグッズ販売まで! そりゃーもう、盛りだくさんなのです。
なぜ花栗鼠絵本館が作られたのか聞いてみたところ、幼いころ、大人から読み聞かせをしてもらうなどの楽しい記憶が店主の中に今も生き続けており、その体験を子どもたちにもしてほしい― という願いがこめられているとのこと。
散々騒いだので、長居を遠慮し、再度会う約束をしつつ、花栗鼠繪本館を後にした私。けれども、9月30日に閉店することになってしまいました。
私は日本で、お店のポリシーや絵本の楽しい体験を引き継いでいき、絵本との楽しい記憶を、沢山の人に届けたいと思います。
もちろん、台湾の人々もこの絵本館を忘れないでしょう。ありがとう、花栗鼠繪本館!
花栗鼠繪本館
ホームページ: https://shimarisu2010.pixnet.net/blog
Facebook: https://www.facebook.com/shimarisu.taipei
・9月30日までセールをしているそうです!
・MRT「忠孝敦化」駅出口7を出て、すぐ見える交差点(忠孝東路四段147巷)を右折します。少し歩くと左側にお店が見えます。
※詳細は、必ず花栗鼠繪本館にお確かめください。
※本記事の写真は、同行した絵本専門士仲間が提供してくれたものです。転載はご遠慮ください(写真のご提供を、快く承諾していただきありがとうございました!)
(寄稿:絵本専門士<沖縄県> 森島幸代・えほん とんとんみーず)