おこめを かっぷに ふたつ。
くまさんのて にして ざくざく ざくざく とぎましょう。
わたしたち日本人にとって、とても身近なおにぎり。
手軽に、当たり前のように食していますが、ほっかほかのおにぎりにするのは、実は大変なこと。でも、いつもお母さん・お父さんに作ってもらってばかりの子どもには、わかりませんよね。
『おにぎりをつくる』高山なおみ文、長野陽一写真、ブロンズ新社、2020 amazon
『おにぎりをつくる』は、実際におにぎりを握る様子を、写真でわかりやすく見せています。
塩とお水をつけて、指3本。お茶碗でゆりかごころころしたお米を、「あっちっち」と言いながら、きゅっきゅっと握ります。
大きい形、小さい、丸い、三角、さまざまな形が並んでいくのも、なんだかバラエティ豊かで嬉しくなります。
素朴な塩と、お米の味わいを、じっくりと噛みしめたくなります。
おにぎりは、「いのち玉」
作者・高山なおみさんは、料理家です。子どもたちが、自分ひとりでもおにぎり作りをできるようにと、この絵本を作ったそう。
共働きも増え、忙しい毎日のなかで、子どもたち自身がはらぺこのお腹を満たす、「いのち玉」を得られるように。そして、家族にもおにぎりを作ってあげられるように。
おいしそう、おもしろい、作ってみたい、作ってあげたい!
こんな思いが子どもたちにあふれるといいな、とこの絵本をおすすめします。
にこっとポイント
- 素朴な塩と、お米の味わいを、じっくりと噛みしめたくなる絵本です。料理家・高山なおみさんの、子どもたちが、自分ひとりでも「いのち玉」であるおにぎり作りをできるようにという気持ちがこめられています。
- テンポのよい文章はすべてひらがなで書かれていて、子どもにも読みやすいです。親のパート、子どものパート、それぞれに分かれたり、実際に手を動かしてみたりしながら読んでもいいですね。
- 同じ作者で『みそしるをつくる』もあります。絵本を通して、子どもたちも日本の食文化に触れることができます。
(にこっと絵本 Haru)