表紙に描かれているのは、なんとも不気味な3人組です……。

すてきな三にんぐみ

『すてきな三にんぐみ』トミー=アンゲラーさく・え、いまえよしともやく、偕成社、1969 amazon

「あらわれでたのは、くろマントに、くろい ぼうしの さんにんぐみ。それはそれは こわーい、どろぼうさまの おでかけだ」― この絵本に初めて出会った子どもたちから「こわーい」という声がもれました。

そこには黒マント、黒い帽子をかぶって目しか見えない3人の男の人たちが登場しています。いかにも、怖そうで、少々不気味な雰囲気ですよね。

でも、ご安心ください。この人たち、どうやら悪い泥棒ではなさそうなのです。

なぜなら人を傷つける武器は持っていませんし、ねらうのは大金持ちの人たちが乗っている馬車に積まれた宝物です。しかも、集めた金銀財宝は、何に使う訳でもなく大きな箱に入れられたまま。

泥棒たちにそう教えてあげたのは、なんと、宝物がなかった代わりにと連れてこられた女の子・ティファニーちゃんでした。

結局、3人のまわりには親のいない子どもたちが次々と集まります。やがて成長して村を作り、あの3人の泥棒をしのんで3棟の塔まで建ててしまうのでした。

大きくなった子どもたちに、いつまでも覚えていてもらって、さらにそっくりな塔まで建ててもらった3人組は、やはり「すてき」だったのです。子どもたちの心に残る名作です。こわがらずに、お読みください。

にこっとポイント

  • 3人組は、本当に「すてきな」3人ですから、怖がらずにお読みください。
  • 表紙の絵や物語の語り出しの文章は、読み方によってはこわいと感じるかもしれません。無理な声色を使わず読んでほしいと思います。
  • 実際にドイツのハーナウやシュタイナウには、この絵本の絵と同じような建物があります。

 

(寄稿:絵本専門士<東京都> 鴫原晶子)

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