PICK UP! ハロウィンに読みたい絵本
ねないこだれだ

『ねないこだれだ』せなけいこ作・絵、福音館書店、1969 amazon

夜の9時。時計がなります。ボン、ボン、ボン……。

猫の目が暗闇に光り、ふくろうやみみずくの声がホーホーと響きます。黒猫たちが忍び歩き、いたずらネズミがトコトコトコと屋根裏をかけていく音が聞こえる― そんな夜ふけの時間は誰のもの? どろぼうでしょうか。いえいえ、夜中はおばけの時間だったのです。

おばけが迎えに来る!? それは、子どもたちにとっての冒険の始まり

時計が夜の9時をさしたら、夜中の世界が動き出します。子どもたちにとっては、夜の9時といったら、とても遅い時間帯、未知の世界です。わたしが寝てしまった後の世界ってどんななのかしら? 暗闇の世界にはどんなものがいるの? 

そんな子どもたちの好奇心を、この絵本がくすぐります。

ねないこだれだ

なんだか分からないもの、ドキドキすること、子どもたちはそんな未知の世界が大好き。そして、その筆頭がおばけなのかもしれません。その証拠に、この絵本に触れた子どもたちは、何度も読んで読んでとせがんできます。

自分もおばけになって、おばけの世界に飛んでいく― それは、子どもにとっては冒険の始まり。おばけの世界に行って、そしたらそしたら……続きはきっと夢の中で、存分に味わうことができるのです。

「ねないこだれだ」のせなけいこの世界に触れる、横須賀美術館 せなけいこ展

現在、横須賀美術館では、『ねないこだれだ』誕生50周年記念 せなけいこ展が開催されています(※終了しました)。

おばけのてんぷら


『にんじん』(1969年、福音館書店)、『あーんあん』(1972年、福音館書店)でも知られるせなけいこさんは、『おばけのてんぷら』などおばけをモチーフにした絵本もたくさん出版されています。

会場には、絵本コーナーや楽しいしかけもあり、小さなお子さんも楽しめる内容のようです(横須賀美術館HPより)。横須賀美術館は、広々とした芝生が気持ちよく、美術館の前にはタンカーなど大型船が行き交う海の様子ものんびりと眺められます。この夏休みの思い出作りに、訪れてみてはいかがでしょうか。

『ねないこだれだ』誕生50周年記念 せなけいこ展

期間: 2019年7月6日(土)- 9月1日(日)
横須賀美術館HP: https://www.yokosuka-moa.jp/exhibit/kikaku/1902.html
『ねないこだれだ』誕生50周年記念 せなけいこ展 公式HP: https://www.asahi.com/event/senakeiko50th/

8月10日(土)には、読絵ん会「せなけいこ寄席」というイベントもあります。落語初心者も子どもも楽しめるというこのイベント、申し込み不要なので、気軽に参加できそうですね。

にこっとポイント

  • 子どもたちの「ドキドキ」をくすぐり、夜の世界へいざなってくれる絵本です。小さなお子さんから親しめます。
  • 夏には、様々な美術館、文学館で絵本原画展など絵本に関するイベントが企画されます。お出かけがてら、じっくりと子どもたちと絵本の世界を味わってみてはいかがでしょうか。

(にこっと絵本 Haru)

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