PICK UP! ハロウィンに読みたい絵本

白くかがやく頭と、とがった黄色いくちばし。
アメリカ先住民族にとってハクトウワシは神の使い。

大切な儀式では
ハクトウワシの羽根で飾りつけた衣装を身にまとい、
天高くにいる精霊へいのりをとどける。

『ハクトウワシ』は、4月の抱卵から巣立ちまでの約3ヶ月間のその子育てに迫った、写真絵本です。

ハクトウワシ
『ハクトウワシ』前川 貴行、新日本出版社、2020  amazon

その力強い姿に惹きつけられた著者・前川貴行さんは、北大西洋に浮かぶカナダ、ニューファンドランド島の東海岸、高さ数百メートルの断崖上にあるハクトウワシの巣に密着、この絵本を作り上げました。

貴重な写真の数々から伝わる、ハクトウワシの生命力

今まで見たことがないような、ハクトウワシの顔がアップになった表紙の写真に、思わず手にとったこの絵本。

鋭い目が深く印象に残るハクトウワシですが、見返しに載っている翼を広げて飛ぶ姿もすごくかっこよく、私は、この2枚だけで、ハクトウワシの魅力にはまってしまいました。

前川さんがどうしてもカメラにおさめたかったという、卵や小さなヒナの様子等も、見ることができます。高い崖の上の巣であることを感じさせないアングルには、とても驚きますし、「この表情、すごい!」と見入ってしまうページもあります。

極北の過酷な環境で生き抜くハクトウワシの力強さが、よく伝わってくる絵本です。

にこっとポイント

  • ハクトウワシの子育てに密着した写真絵本です。ハクトウワシと著者との出会いや、ハクトウワシが絶滅の危機に瀕していた時、保護活動に尽力した女性についても紹介されています。
  • 表情まで細やかに捉えた迫力のある写真も多いので、鳥好きな方は、必見です!

(にこっと絵本 SATO)

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