「おまつりだっていうのによ、なんにも 買ってくれねえのかよー。おいら、お父っつぁんの子どもに うまれて そんしたぜ。たけちゃんちの子どもに うまれてくればよかったなー」と、ぶちぎれる「きんぼう」。

だんご屋政談

『だんご屋政談』春風亭一之介作、石井聖岳絵、ばばけんいち編、あかね書房、2016 amazon

いたずらばかりしているから何も買わないと言うお父っつぁんと、言い合いになってしまいます。こうなりゃ奥の手、きんぼうは泣きわめいて、だんごを買ってもらいますが……。

父親ときんぼうの知恵を働かせる言動と、テンポのよい展開が魅力な落語絵本です。

江戸時代に親しまれた手法を使った絵に注目!

このお話に出てくる人物、屋台、神社、馬等、登場するものは、全て一度他の用紙に描いてから、一つひとつを切り取り、それらを組み合わせています。絵本の最後に載っているばばけんいちさんの解説によると、「立版古手法(たてばんこしゅほう)」という江戸時代に親しまれた手法を用いているそう。

勢いと立体感があるように工夫された絵に、ご注目ください。

古典と新作らくご絵本シリーズについて

あかね書房の「古典と新作らくご絵本シリーズ」には、今回紹介した『だんご屋政談』の他に、『ねっけつ!怪談部』『ろじうらの伝説』『ぶどうぼう』『王子のきつね』『りきしの春』『ぬけすずめ』『とのさまとうみ』『モモリン』『夢金』の9冊が出版されています(2019年8月現在)。『だんご屋政談』で、落語への興味がわいてきたら、他の落語絵本もぜひ読んでみてください。

にこっとポイント

  • 絵本を楽しみながら、落語に親しむことができます。
  • 表紙のタイトル部分の「だ」と「ご」の濁点は、なんとおだんごになっています!
  • 小学校での読み聞かせにも、おすすめです。

 

(にこっと絵本 SATO)

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