新しい年が始まりました。2022年の干支は、寅。
一説によると、寅年生まれは、勇敢な性格と優れた行動力で、何事にも恐れず立ち向かい、強い信念をもって物事に挑戦していくそう。周りから一目置かれ「カリスマ的存在」と言われる人が多いのも特徴なんですって。
では、この物語に出てくるトラさんは?
『トラさん、あばれる』ピーター・ブラウン作、青山南訳、光村教育図書、2014 amazon
ビシッと決めた蝶ネクタイに、シルクハット姿です。でも実は、お行儀の良い暮らしにうんざりしていました。
はじけたい、と思いました。
騒ぎたい、と思いました。
…… いっそ、あばれたい、と。
そしてある日、トラさんはついに窮屈な生活を捨て、どんどん暴れたのです。
周りのみんなは驚きました。みんな行儀がよいものだから、そんな振る舞いはよくないと思いました。
やりすぎたトラさんに、友だちはみんな我慢できません。
そんなに暴れたいならどうぞ、森へいらっしゃれば!― と、ついにトラさん、町から追い出されてしまいます。
トラさんは、困るのかと思いきや、「それはいい考えだ」と大喜び。一人森へと行き、思う存分暴れてみるのでした。
ただ、自由だけど、ひとりぼっち。一通り暴れると、さびしくなって町に戻ることにしたのです。
久しぶりに戻った町でトラさんが目にした光景は……。
今のままでいい、その気持ちもわかります。
でも、もし、日常を窮屈だと感じたならば、勇気をもって少しはみ出してみればいい。
さて、新年です。あなたも、思い切って暴れてみてはいかがでしょうか?
にこっとポイント
- お行儀のよい暮らしにうんざりしたトラさんが、思い切って暴れてみた、というお話です。日常を窮屈に感じたときにおすすめです。
- 作者のピーター・ブラウンさんからのメッセージは、「ぼくのけいけんからいうと、みんな、すこしは、あばれたほうがいいよ」ですって!
(にこっと絵本 森實摩利子)