PICK UP! とらの絵本

日本ではおなじみの十二支の動物たちのお話ですが、中国の民話を元にしたこの絵本は、また一味違っています。

ね,うし,とら…… 十二支のはなし 中国民話より

『ね,うし,とら…… 十二支のはなし 中国民話より』ドロシー・バン・ウォアコム文、エロール・ル・カイン絵、辺見まさなお訳、ほるぷ出版、1978 amazon

これからの世を占う、大切な12種類の動物たちの順番。最初の年を担う役割を、牛とねずみが競っていました。

そこで皇帝の命により、他の動物たちに決を採ることになります。賢さか、強さか― 動物たちは、牛かねずみか、自分が推す方を述べますが、結果はまさかの同数。

最後の決定を町の人々に託すため、町へ出かけることになるのですが、ねずみはある策を講じます。さて、その策とは?

じっくり味わいたい、オリエンタルな画風の際立つ流麗な絵

この絵本の特徴は、少ない色数ながらも、オリエンタルな画風の際立つ流麗な絵です。

画家は、シンガポールに生まれ、少年時代をインドで5年過ごしたエロール・ル・カイン。ケイト・グリーナウェイ賞を受賞した『キャベツ姫』をはじめ、美しい舞台を干渉しているような気分になれる、『いばら姫』『おどる12人のおひめさま』なども代表作として有名です。

おどる12人のおひめさま

本作では、皇帝の装いをはじめ、水墨画のように描かれた山々、毛の長い犬、迫力のある龍など、建物やその背景までじっくりと眺めて楽しめます。

十二支の最初の動物を決めるいきさつも、日本のお話とはまた違って新鮮ですね。

国や文化によって伝わるお話が少しずつ違ってくる、そんな視野を広げるきっかけにもなりますから、十二支のお話をもうすでに知っている人にも、おすすめです。

にこっとポイント

  • オリエンタルな雰囲気あふれる画風で描かれた、中国の民話です。十二支の順番を決める由来について、日本とはまた違う、新鮮なお話を知ることができます。
  • 淡い色合い、少ない色数によって描かれた、エロール・ル・カインの一味違った表現も必見です。絵本の中に広がる美しい世界をじっくり楽しんでみてください。

(にこっと絵本 Haru)

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