誰にもこんな時がありました……。

あかちゃん

『あかちゃん』tuperatupera作、ブロンズ新社、2016  amazon

 

赤ちゃん絵本と言われるカテゴリーの中には、赤ちゃんそのものを取り上げている絵本が何冊もあります。『あかちゃん』もその中の1冊です。

表紙にはまんまるい赤ちゃんの顔。男の子なのか女の子なのかわからない、つまりすべての「赤ちゃん」です。

しかも、この絵本は、本そのものが円形をしていて、丸い画面いっぱいに、赤ちゃんのいろいろな表情や大好きなおもちゃが 次から次へと登場します。

そのうち、おもちゃを示しても赤ちゃんはだんだんご機嫌が悪くなってきて、とうとう泣き出してしまうのですが、あるもので赤ちゃんの表情は変わります。さて、それはなんでしょうか……?

赤ちゃんと読みたい、赤ちゃんのための丁寧に作られた絵本

先日、うらわ美術館で開催されていた「ぼくと わたしと みんなの tupera tupera 絵本の世界展」へ行ってきました。様々な絵本の原画と共に、『あかちゃん』の原画も展示されており、『あかちゃん』の製本過程のビデオ上映もされていました。

『あかちゃん』は本の形が丸いため、すべて機械が製本するのではなく、何ヶ所にも人の手が加わっていて、丁寧に作られていることがわかりました。

私も『あかちゃん』を5ヶ月半の男の赤ちゃんと読んでみました。真剣に絵を見て、知っているものが出てくるとニコ~ッと満面の笑みで私の顔を見上げます。読んでいる私も嬉しくなってしまいました。

赤ちゃんの時期はとても短いもの。展示会で購入した図録には、この絵本について作者から「だれでもママになれる。」というコメントがあります(『ぼくと わたしと みんなの tuperatupera 絵本の世界展』P.76)。『あかちゃん』があれば、本当に、誰でもママになれるのです。

ぜひ! 赤ちゃんと読んでください。

にこっとポイント

  • 大人と赤ちゃんが1対1で、ゆっくり読み合ってほしい絵本です。
  • 本そのものの形が丸いので、本棚の納まりが気になる方もいらっしゃるかもしれませんが、親子の思い出になり得る1冊です。

 

(寄稿:絵本専門士<東京都> 鴫原晶子)

 

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tupera tupera原画展(横須賀美術館)のレポはこちら!

 

 

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