イギリスのイヌは、「バウワウ バウワウ」って鳴くってご存じでしたか? 日本では、「ワンワン」ですよね。
同じ動物でも、違う国となると鳴き声も変わるんです。
『うしはどこでも「モー!」』エレン・スラスキー・ワインスティーン作、ケネス・アンダーソン絵、桂かい枝訳、鈴木出版、2008 amazon
この絵本『うしはどこでも「モー!」』は、英語・スペイン語・フランス語・日本語で、動物たちがなんと鳴いているかを教えてくれるのですが、日本語との違いに大人でも驚かされます。
いぬ、かえる、あひる、にわとりと、それぞれ国によって鳴き方は全然違うのに、牛だけは、どうやら共通しているようで……。
「うしは どこへいっても『モー!」』って なくねん」
各国の鳴き声の紹介の後に続くこの展開は、お話を聞いている人の心を虜にしてしまいます。
どうせ、「モー!」でしょ!
この先読みが、この絵本をさらに面白くしてくれるポイント。
訳者で落語家でもある桂かい枝さんは、落語講演を12か国77都市で行ってきたそうで、世界に笑いを届けている人です。
また、スウェーデンを拠点とするケネス・アンダーソンの日本の描き方もおもしろく、海外の方がイメージする日本も見どころの一つです。
当たり前と思っていることも、見方を変えればこんなに違う。
頭を柔らかく、笑いとユーモアをもちながら柔軟にいきたいものですね。
ところで、ねこは他の国ではなんて鳴くんでしょうね?
にこっとポイント
- 世界各国のことばで、動物たちがなんと鳴いているかを教えてくれます。
- 読み聞かせのときに一工夫。「モー!」のところを参加型にしてみてはいかがでしょう? 繰り返される展開に先が読めた子どもは、きっとワクワクしながら参加してくれますよ。
(にこっと絵本 森實摩利子)