2017年10月18日、絵本作家の山本祐司さんの原画展&トークショー「おひさまかみしばいやに山本祐司さんがやってくる!」がありました。

会場は、逗子市の蘆花記念公園第一休憩所。ノアザミなど野の花の生い茂る、自然に囲まれた日本家屋です。上り框で靴を脱ぎ、畳の広がる屋内に入ると、部屋のいたるところに山本祐司さんの原画が飾られていました。 山本祐司さんの原画

絵本作家・イラストレーターとして活躍中の山本さんのルーツとは?

山本さんは、絵本『ぼくのるすばん』などかぞくえほんシリーズを手がけたほか、など多くの絵本・書籍の挿絵、ヤクルトカレンダーの絵を担当するなど、イラストレーターとしても幅広く活躍されています。

どの作品も、子どもたちにも親しみやすい、明るい色あいの優しいタッチで描かれたイラストが印象的です。トークショーではそんな山本さんのルーツをお聞きすることができました。

【ルーツ1】 好きなこと

「小さい頃は『できない』と言われる子だった」そうです。けれど、「できないから、みんなに優しくしてもらった」ことを、今でも大切に思っているのが伝わってきました。

そんな山本さんの幼い頃のお気に入りは、絵やブロック。特に、乗りものなど、好きなものの絵を描くことに夢中になっていたそうです。

【ルーツ2】 自分と向き合うこと

一度は印刷会社に就職したものの、仕事ばかりで疲弊していく毎日に、本当に自分のやりたいことを改めて見つめ直したという山本さん。思い浮かんだのは、子どもの頃好きだった、絵でした。

大阪デザイナー専門学校に通い、東京で仕事を得ることを目標に動き出しますが、東京に行く勇気がなかなか出なかったと言います。そんな時に、山本さんは山小屋でアルバイトを始めます。それは、自分を奮い立たせるため。きつい仕事に辞めていく人も多い中で、厳しい自然に囲まれながら、夢に向かっていく気持ちを確かなものにしたそうです。

山本さんは、現在逗子にお住まいですが、四季を感じられる山も海もある環境が気に入っていて、とりわけ山がお好きなのだとか。山本さんと山は、どこかつながっているのかもしれませんね。

絵本作家・山本祐司さんの芯とは?

「山本さんの作品の全ての芯にあるものは何か」という私の質問に、山本さんは「子どもの頃の何もしなかった時間が今の絵本作りに通じている」と答えてくれました。子どもの時に見た風景、考えたことを描くことが多いと。

これを聞いて、私が思い出したのが、絵本『すやすやぷー』です。

その中に、うさぎさんと男の子が「ふーわふわ ぷーわぷわ すーやすや」と眠る場面があります。「何もしない」ということが逆に難しく感じるような世の中で、ただごろりと横になってぼーっとする、そんなことが幸せで生きていくうえで大切なことなのだ、と改めて思いました。

今回の原画展&トークショーに参加し、山本祐司さんの絵本は、「無駄なことなんて、何もない。何も考えずに、ぼーっとすることも大切。子どもの時に夢中になったこと、自分と向き合ったことがきっとこれからの財産になっていくはず」と教えてもらいました。

 

 

(にこっと絵本 Haru)

 

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