表紙には、子どもの両手を合わせた手のひらの中に、4色のクレヨン。開くと、見返しも中表紙もなく、すぐに本文に入ります。
『どんないろがすき』100%ORANGE、フレーベル館、2016 amazon
赤いキャップ、赤いズボン、赤い靴をはいた男の子が、右手に赤いクレヨンを持って線を書いています。
次のページには子どもたちが知っている、おなじみの赤いものがたくさん描かれていています。消防自動車、ポスト、リンゴ、てんとう虫。赤い風船に赤いさかな、赤いチューリップ、赤いハート。そして、大きな赤い太陽。
赤の次は青、そして黄色、緑と続きます。最後は全部の色。それぞれの色に、子どもたちが大好きなものが描かれています。
この絵本は、表紙の右下に「うたえほん」とありますし、裏表紙には楽譜が載っています。はじめから歌いながら読むことをねらった絵本なのでしょう。
とってもリズミカルで楽しい歌なんですよ。
私は、4月のおはなし会で4歳、5歳児それぞれのクラスで歌い読みをしてみましたが、子どもたちはすぐに覚えて一緒に歌ってくれました。
「♪どんないろがすき~?」に対して「あか!」と大きな声で答えてくれます。このかけ合いもとても楽しいです。
なぜならみんなが目を輝かせて、満面の笑顔での答えなのですから。
ところで、この4色の色の中で子どもたちの反応が一番大きかったのは、何だと思われますか? 一度試してみてください(答えは文末のにこっとポイントにあります!)。
短いのですが、くり返し歌い読みをしたい絵本だと思います。
にこっとポイント
- 赤ちゃん絵本ですが、4、5歳の子どもたちも楽しんでくれます。
- パネルシアターやペープサートにして楽しむ、という方法もあるようです。
- おはなし会で子どもたちが一番興味を示したのは、緑のページの「恐竜」でした!
(寄稿:絵本専門士<東京都> 鴫原晶子)