何とも不気味な絵本をご紹介します。『魔女ひとり』。
『魔女ひとり』ローラ・ルーク作、S.D.シンドラー絵、金原瑞人訳、小峰書店、2004 amazon
魔女が空っぽお鍋のふたを開けました。何か思いついたのでしょうか? 魔女は、一人でいろんなところに出かけていきます。
魔女 ひとり
のらネコ にひき
かかし さんにん
ゴブリン よにん
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こうして、10まで数えていって、出会った人から何やらいろいろもらっています。
それは、「魚の骨」だったり「にょろにょろむし」だったり「こゆびのほね」だったり「くもなべ」だったり……。不気味なものばかりが集まりました。
そうだ、みんなでパーティーしよう!
まさかまさかの展開で、お鍋でコトコトできたのは、これまた不気味なシチューです。
大勢のお客様をご招待、みんなおいしいおいしいと舌鼓!
「恐いもの見たさ」ということばがぴったりのこの作品、絵はもちろん恐ろしいのですが、日本語訳は耳に心地いいリズムとなっています。
「ゆうれい はちにん ゆらゆらと」というような「4・4・5」のリズムにのって、さあ、不気味な世界にいらっしゃい―。
にこっとポイント
- 日本にはなじみのない「怖いもの」を、数を数えながら、ぜひお子さまとご堪能ください。もちろんハロウィンにもってこいです!
- 読み聞かせのときに一工夫。少し低めの声で、淡々と読むとさらに恐ろしさが増してきます。
(にこっと絵本 森實摩利子)