犬を飼いたかったけれどダメだと言われていた幼い頃に、何度も読み返した思い出の一冊。私が初めて読んだ、写真で構成された科学絵本です。
『こいぬがうまれるよ』ジョアンナ・コール (著)、ジェローム・ウェクスラー (写真)、つぼい いくみ (翻訳)、福音館書店、1982 amazon
『こいぬがうまれるよ』は、ダックスフンドが生まれ、「ソーセージ」と名付けられ、新しい飼い主のもとに巣立つまでの成長の記録です。
母犬のおなかから出てきた子犬が、袋に入っているところからが、モノクロの写真で表現されています。本物だからこそ伝わってくる、いのちの誕生の不思議さ、そして迫力……。
生まれたての犬の赤ちゃんは、目ばかりでなく耳も閉じているってご存じでしたか? お子さんだけでなく大人にとっても、「へ~、そうなんだ」という新しい発見があるかもしれません。
いのちの大切さを考えるきっかけに……
いのちの不思議さ、成長していくことの奇跡を味わうことができるこの作品。ぜひ親子でいのちの話をするきっかけとして読んでください。お子さんに「あなたも生まれた時は小さかったけれど、こんなに大きくなったのよ」と声をかけてあげてください。
一人一人がかけがえのない大切な存在であることを、絵本を通して親子で味わっていただければと思います。
にこっとポイント
- 科学絵本といわれるジャンルには、まだまだたくさんの作品があります。大人でも「へ~!」と思わずうなってしまうような本格的な内容が、子どもでもわかるように易しく書いてあるので、親子で楽しめますよ。お子さまの興味関心を広げるきっかけとして、また大人になってからの学び直しとして科学絵本の世界を楽しんで!
(にこっと絵本 森實摩利子)