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うちゅうはきみのすぐそばに

『うちゅうはきみのすぐそばに』いわやけいすけ作、みねおみつ絵、福音館書店、2018 amazon

私たちは、空の下に、暮らしています。

うちゅうはきみのすぐそばに_中ページ

地面からはねると、少し宇宙に近づきます。ふわりと地面から目線を浮かせて、少しずつ上へ上へと宇宙へ旅をすることができます。

ビルの最上階の高さ、建物のない雲が広がる高さ。雲の上は、毎日晴天の世界。さらにもう少し上へ行くと、そこは宇宙との境目。

これまでは、宇宙って「別世界でとっても遠くて未知の世界」というイメージでした。

しかし、この絵本を読むと「意外と宇宙は私たちの近くにあった!?」と、宇宙との距離感を改めて感じることができるのです。

実は、スイカ(直径23cm)を地球に見立てると、なんと宇宙ステーションはわずか7mm上空、つまり、わずかスイカの種1個分の高さを飛んでいることになるそうです(作者あとがきより)。

宇宙との境目、100キロメートルの場所は、ここから宇宙、というはっきりとした境目はないのも驚きです。

境目のない、意外と私たちの暮らす空のすぐ上に宇宙があるんだ!― なんだか宇宙を身近に感じるようになりますね。

作者の岩谷圭介さんは、北海道大学工学部在学中から風船を使った宇宙開発に取り組んでいたそうです。

絵本の23ページには、「ふうせん宇宙撮影」プロジェクトで、岩谷さんが開発した風船をモデルとした風船が描かれています。

うちゅうはきみのすぐそばに_中ページ2

だんだんと目線が上がるにつれて、変わっていく空の雰囲気を楽しみながら、細かな書き込みまで味わえるこの絵本、大人も子どももじっくりと眺めてみたくなるはずです。きっと宇宙への夢がさらに広がりますよ。

にこっとポイント

  • 「宇宙は遠い」というイメージを覆し、宇宙を身近に感じさせてくれる、大人にも子どもにも親しみやすい科学絵本です。
  • 巻末には、岩谷さんによる各ページの解説があり、その場面に描かれた場所についてより詳しく知ることができます。小学生のお子さんや大人が興味を持てる内容です。
  • 「ふくふく本棚」(福音館書店)に、岩谷さんのこの絵本についてのエッセイが掲載されています。→ https://www.fukuinkan.co.jp/blog/detail/?id=108

(にこっと絵本 Haru)

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