怖いイメージも、ふっとぶ! 地獄づとめのオニたちの生活を、のぞいてみませんか?
オニのサラリーマン1

『オニのサラリーマン』富安陽子文、大島妙子絵、福音館書店、2015  amazon

「わし、オニでんねん。すんまへん。」地獄づとめの赤鬼、オニガワラ・ケンは、じごくカンパニーのサラリーマン。スーツをビシッと着て、金棒をかついで、今日も満員バスで出勤です。

会社に着いたら、閻魔大王に挨拶をして、仕事に取りかかります。釜ゆで地獄の火の番に、血の池地獄の見張りなど、地獄の仕事もいろいろありますが、自由奔放な亡者たちの監督に追われる姿は、人間と変わりません。

さて、愛妻弁当を食べた後に睡魔に襲われたケンさん、うとうとしている間に血の池地獄である事件が起き…。

オニたちの仕事ぶりに、世のお父さんたちの姿が重なり、ついつい肩を揉んであげたくなるような1冊です。

お父さんと一緒!? 地獄でがんばるオニのサラリーマンのお仕事とは?

妻と子に見送られ、ネクタイを締めて出勤するオニの姿を、今まで誰が予想したでしょうか?

オニのサラリーマン2

突飛な設定ながらも、なんだかオニに親近感を感じてしまうこの絵本。細かく描かれた小ネタ満載の地獄の世界観と、オニたちの迫力のある顔力(?)に、ついついニヤニヤしながらページに見入ってしまいます。

たとえば、スーツで出勤したオニたちがロッカールームで着替える場面。オニたちは、世間話をしながら、トラ柄のパンツなどのユニホームに着替えたり、髪を整えたり、血糊のメイクをしたり……お仕事に向けていそいそと身支度を整えているオニたちが、なんともユーモラスなんです。

オニたちの関西弁もピリリと効いて、さらにお話を盛り上げてくれています。

ぜひ、お父さんの声で読んでみてほしい1冊です。オニの迫力と仕事に翻弄される哀愁をより味わえるのではないでしょうか。

にこっとポイント

  • 絵の細部までじっくり目を通すと、所々に小ネタが見つかります。地獄をたっぷり楽しめますよ。
  • 続編『オニのサラリーマン しゅっちょうはつらいよ』も必見です。出雲に出張のオニガワラ・ケンさんのドタバタ劇がユーモラスに描かれています。サンタクロースや魔女も登場し、子どもも大喜びです。
  • 節分の怖いイメージとはまた違ったオニたちに出会えます。

(にこっと絵本 Haru)

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