「めの まど あけろ おひさま まってるぞ みみの まど あけろ だれかが うたってる」
「ふとんのうみに なみのそこ ゆめのてれびがひかってる ねんねんころり ねんころり」
「めのまどあけろ」は、朝、目覚めてから夜に布団に入るまでの日常生活を、韻を踏んでリズムよく紡いでいる、遊び心満載のわらべうたです。
『めのまどあけろ』谷川俊太郎文、長新太絵、福音館書店、1981 amazon
どこかが痛くなったときには「いたいとこ とんでいけ ろけっとのって とんでいけ」と言ってみたり、イライラがおさまらなかったら「かんかん おこりむし おなかのなかで なにしてる だいじなしっぽに ひがついた」と自分の怒りのもとをイメージしてみたり……。
『めのまどあけろ』のわらべうたには、日々過ごすなかでふと思い出して口ずさむと、少し心が軽くなるような魅力があります。
わたしのお気に入りの一節は、こちらです。
「いちばん ぼたん とおりゃんせ とんねる くぐって うみへでる
にばん ぼたん とおりゃんせ もんを はいって こんにちは
さんばん ぼたん とおりゃんせ あなから かおだす もぐらもち」
朝起きて、パジャマを脱いで着替えをする場面でしょうか。ボタンの穴から「もぐらもち」が顔を出すなんて聞いたこともないけれど、穴にボタンを潜らせるイメージが、意味がわからないようで、わかるような、でも想像すると、なんだかかわいい…… そんな気がします。
口ずさむリズムも、おもしろいです。
この絵本のことばと絵には、日常の中の様々な動作や感情を、整理して具現化してくれるような力があります。小さな子どもから大人まで、存分に楽しめる1冊です。
にこっとポイント
- 韻をふんだリズミカルなことばには、大人も子どももついつい口ずさみたくなる楽しさを感じられます。
- 日常の何気ない一幕を、ことばと絵で整理して具現化してくれます。
(にこっと絵本 Haru)