表紙に描かれた、ずらりと並ぶたくさんの人たち。列は、裏表紙まで続いていて、大人も子どももお母さんに抱かれた赤ちゃんも、みんな入場を待っています。
『ぎょうれつ いろいろ』accototo、幻冬舎、2019 amazon
お話に出てくる最初の行列も、この動物園へつながる長い列です。
「どうぶつえんの ぎょうれつにならぶ おとこのこが みている」という文に従って絵を見てみると、並んでいる行列の中に、しゃがんで地面を見つめている男の子の姿があります。何を見ているのでしょう?
ページをめくると……、「ありのぎょうれつ」が出てきました! 数えきれないほどのアリが、一列になって、くるくるキャンディへ向かっています。
そして、「ありの ぎょうれつの むかいにある」と続きます。今度は、何の行列を見ることができるのでしょうか。
みなさんは、どんな行列を見たことがありますか?
「行列」と聞くと、たくさんの人が並ぶ列を、まっさきに思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。
でも、この絵本では、「人」に限らず、アリなどの小さな生きもの、車、海を泳いでいるクジラ、UFOに乗った宇宙人まで、普段、あまり意識しないものや実際には見たことのないものの行列まで登場します。
また、行列に並んでいる男の子が見ていたアリが次のページに登場するというように、前後のページの行列が関連性のある描かれ方をしていることにも注目です! 行列が次の行列へとつながっていき、そして、最初に戻っていきます。くり返し何度でも楽しむことができる絵本です。
にこっとポイント
- 人、アリ、車、魚……、いろいろな行列をカラフルな絵で描いた絵本です。
- 行列に並んだ一人ひとりを、じっくりと観察しながら見ても面白いです。また、身近なところのいろいろな行列を探してみるのも、おすすめです!
(にこっと絵本 SATO)