新型コロナウィルスの影響による休校が明けて、各地で学校が再開されました。以前のように通えている子もいれば、気持が少ししんどくて学校生活が負担になっている子もいるようです。
しんどい気持ち。悲しい気持ち。
大人がこれだけ振り回された自粛生活です。子どもたちは、もっと敏感に察知し、自分なりに理解しようとしながら新しい生活になじもうとがんばっていることでしょう。
大人も子どもも、今は少し心がお疲れですよね。
こんな時に私が手に取るのがこちらの絵本、『かなしみがやってきたらきみは』。
『かなしみがやってきたらきみは』エヴァ・イーランドさく、いとうひろみ訳、ほるぷ出版、2019 amazon
表紙には、水色のなにやら大きな生き物。これが「悲しみ」のようです。
悲しみは突然やってきて、べったりとくっついてきます。隠そうとしても、なかなかそうはいきません。
悲しいという気持ちに、思い切って向き合ってみる。ただ一緒に座っている。好きなことをしてみる。外に出てみる。
「ああ、私は悲しかったんだ」
そうして、折り合いをつけられるところを探ることで、悲しみはやがて消えていきます。
この絵本は、まるでカウンセラーのように、側に寄り添ってくれるのです。だから、大勢に読むより、自分一人で、もしくは誰かにそっと読んでもらうのがいいかもしれません。
繊細なこころの柔らかい部分に、優しくメッセージが届くでしょう。
悲しみを、怖がらなくてもいいんだよ。
にこっとポイント
- 心が少し疲れたとき手に取りたい絵本です。
- 初めと終わりの見返しを比べてみてください。悲しみの姿が変わっています。さて、どんな風に変わっているでしょうか?
(にこっと絵本 森實摩利子)