アカシア小学校の1年生のしろくまが主人公のこの作品、『ぼくのいいところ』。
『ぼくのいいところ』たかすぎなおこ作・絵、らくだ出版、2007 amazon
サッカーが大好きで、親友や好きな子もいるんだけど、ふと、自分だけ違っていることに気が付きます。
お友だちは人間で、ぼくはしろくま。
どうしてこんなに毛深いんだろう……。気になってご飯も食べられず、夜も眠れなくなったので、思い切ってお父さんに相談してみました。
お父さんの答えは、「くまだから、しかたがない」。
それはそうなんだけど、何だかスッキリしない……。
お母さんにも相談してみたら、お母さんはこう言いました。
自分のいいところを10個書いてお母さんに見せて。
そしてぼくは10個、自分のいいところを書きます。
くまらしさを大切にしなさい。みんなにないものが あるなんて、すばらしいじゃない。
お母さんのことばに勇気づけられ、ぼくは元気と自信を取り戻すのでした。
人と違うところをどう捉えるか、子ども時代のみならず、大人になっても同じように悩むことがあるように思います。
素直に自分に向き合って、違いも含めて丸ごとを、自分のいいところとして認めたいものです。
にこっとポイント
- しろくまの男の子が、自分が周りとは違うことに気づき、悩み、やがて元気と自信を取り戻すまでを描いた絵本です。
- 新しい環境に戸惑いが生まれる時期かもしれません。絵本を通して親子でお互いのいいところについて話す時間をもつのはどうでしょう? 絵本が真ん中にあると、普段より話しやすいかもしれませんよ。
(にこっと絵本 森實摩利子)