ヨシタケシンスケさんのこの絵本、ちょっとドキッとするタイトルです― 『ころべばいいのに』。
『ころべばいいのに』ヨシタケシンスケ作、ブロンズ新社、2019 amazon
主人公の女の子は、「自分に嫌なことをする人は、石につまずいて転べばいいのに」と思っているようです。
苦手な人がいたり、嫌なことが起こったりするのは、誰にでも起こりうること。この作品は、そんな避けられないネガティブな感情に、どう向き合うかがテーマです。
たとえば、嫌なことがあっていろいろダメだった日は、逆に、全然関係ないことをしてみるのはどうかしら?
嫌な気分を「突然の土砂降り」とたとえたとしたら、避難できる場所が必要だから、自分だけしか知らない隠れ家を作ろう。
それか、嫌いな人や嫌なことはいつやってくるかわからないから、いつでも自分を励ませるように、好きなものや楽しいことを集めて準備しておくのはどうだろう?
嫌だなと思う人とのお付き合いや嫌なことは、生きている限り起こるもの。
でも、そのときに、その場から一旦逃げるのか、それともがっつりと向き合うのかは、自分が決められることです。
ヨシタケシンスケさんのユニークな発想を知っておくと、いざというときお役に立ちそうですよ。
にこっとポイント
- 避けられないネガティブな感情に、どう向き合うかがテーマの絵本です。
- 表の見返しはブルー、裏の見返しはピンク。そうです。表は嫌な人や嫌なことが描かれていて、裏にはその対応策が描かれているんです。本文にはないイラストなので、こちらもしっかり味わって!
(にこっと絵本 森實摩利子)