『めいわくなボール』牡丹靖佳作、偕成社、2020 amazon
「あつくもなくて さむくもない そんな あるひの ごごのこと ホームランボールがいとをひき すぽりと レンガの えんとつに」
煙突に入ったボールは、暖炉から灰をまき散らしながら飛び出し、部屋のソファーで跳ね返り、壁に飾っていた額は、次々と落ちてしまいます。
それでもボールは止まらず、食器の棚を突き破ったり、子ども部屋で暴れたり……。
さて、家中を駆け巡る、白いボールの行く末は?
ボールの威力と、上品な絵のギャップが面白い!
穏やかな午後に、突然飛び込んでくる白いホームランボール。
ボールの破壊力はとても大きく、本当にタイトル通り「めいわくなボール」です。そしてボールの勢いは止まらないので、「この後どうなるんだろう?」と最後までわくわくします。
いろいろな部屋で大暴れするボールですが、絵は、とても上品に描かれています。
様々なものをなぎ倒す白いボールも、それ自体は特に強調して描かれておらず、全体の色づかいもオシャレ。そのギャップが、また、読者を惹きつけます。
文が、とてもリズミカルなのも、魅力です。
あなたもぜひ、頭の中で、ボールの軌道を描きながら、読んでみてください。楽しいラストにも、注目です。
にこっとポイント
- 突然、飛び込んできて、家中を駆け巡る迷惑なボールのお話です。
- 裏見返しでは、ボールの動きが一目で分かる地図が見られます!
(にこっと絵本 SATO)