『きみのことがだいすき』いぬいさえこ作・絵、パイインターナショナル、2022 amazon
ここは、小さなどうぶつたちが暮らす森。悲しんだり立ち止まったりした子に、優しいことばをかける動物たち。
ふわふわしたリスやネズミ、タヌキやキツネの会話が、優しくて温かいのです。
ちょっと覗いてみましょう。
99人に合う靴だって きみに合わなきゃ 意味がないんだ
自分だけかもしれないから、我慢しようとしていた子にかけられたことばです。
じょうずにできたときも じょうずにできなかったときも
あなたがとてもがんばっていたことは なにもかわらないよ
何かに失敗したのかな? 落ち込む子にかけられたことばです。
やすむのだいじ とってもだいじ
頑張りすぎるとエネルギーがもちません。一休みしてゆっくりしようとかけられたことばです。
寄り添うというのは、こういうことだろうなぁというエピソードが詰まったこの作品。
自分という存在を、丸ごと受け入れてもらえる安心感や温かさが、たくさん入っています。
ほっとして、「ふわぁ」と力が抜けて弛む感じ。
小さな子に読んであげるのもいいけれど、中学生くらいで自分に自信をもてない子が出会って手に取ると、心が「ほっ」として救われることがあるかもしれないなと感じました。
にこっとポイント
- 自分という存在を、丸ごと受け入れてもらえる安心感や温かさが、詰まった作品です。
- この絵本は、最後のページにメッセージを書くことができます。たくさんの愛を誰かに伝えませんか?
(にこっと絵本 森實摩利子)