あけましておめでとうございます。各地で冬の厳しさが際立つお正月でしたが、みなさんはどのように新年を迎えられたでしょうか?
今年は丑年。私は、ゆっくり、でも、しっかりと一歩いっぽを踏みしめながら歩む一年にしたいなぁと思っております。
さて、せっかくなので、牛が登場する絵本をご紹介します。私の大好きな一冊、五味太郎さんの『仔牛の春』。
『仔牛の春』五味太郎作、偕成社、1990 amazon
春に産まれた真っ白な仔牛が成長する次の春までの様子を、自然の風景とかけ合わせて表現した一冊です。
五味さんならではの、ユニークな表現で描かれたこの作品。子牛の背中は大地になり、季節の移ろいが表現されます。
楽しい場面あり、少し寂しい場面あり、そうして季節は進み、絵本の中の仔牛は、新しい春を迎えて「ちょっぴり」成長していました。
どこが成長していたかは、絵本を読んでのお楽しみ。
日々の暮らしって、思いがけない困難に巻き込まれたりして、一進一退を繰り返して進むもの。そう分かっていても、後退や停滞すると、なんだか落ち込んだ気分になることがあります。
こんな時、私は一年とか長いスパンで、自分を客観的に眺めるようにするんです。そうすると、ちょっとした前進や結果に気づくことがあって、「ちょっぴり」成長している事実が明日への活力につながったりするのです。
沢山じゃなくてもいい。ちょっぴりの成長を重ねて、この一年も良い年にしたいと思います。
にこっとポイント
- 春に生まれた仔牛の次の春までの様子を、自然の風景とかけ合わせて表現した絵本です。
- 文章は短いのですが、絵から感じられる季節の移ろいには、匂いや音、温度まで伝わってくるようです。季節を丸ごと味わってほしいです。
(にこっと絵本 森實摩利子)