ぼくのおじいちゃんは、隣人のライトさんと、毎日同じ時間に「おはよう」と挨拶を交わします。
『ぼくのおじいちゃん』カタリーナ・ソブラル作、松浦弥太郎訳、KTC中央出版、2017 amazon
『ぼくのおじいちゃん』は、おじいちゃんが朝から夜まで、どんな時間の過ごし方をしているのか、孫の「ぼく」の視点からユーモラスに描いた絵本です。
けれど、見開き1ページの片側ずつに、おじいちゃんとライトさんそれぞれの生活が描かれています。
ピラティスを習ったり楽しいランチに出かけたり、時間なんて全く気にしないおじいちゃんと、いつも時間を気にしながら、慌ただしく生活する会社勤めのライトさん。その対比には見どころがいっぱい!
また、文では触れられていなくても、絵からもいろいろなことが伝わってきます。たとえば、目覚まし時計なら、おじいちゃんが使っているのは、長針と短針で時刻を示すアナログ時計で、ライトさんは、数字が直接表示されるデジタル時計です。二人の違いが一目でわかりますね。
文章はごく短く、読者が想像できる部分も多いので、様々な受け取り方ができます。
小学生への読み聞かせでは、
「おじいちゃんとライトさんの違いが、面白かった」
「ライトさんは、おじいちゃんの若い頃みたいな気がする」
筆者の友達へ紹介したときには、
「おじいちゃんみたいに、思いのままに過ごしてみたい」
「時間の使い方を見直してみたくなった」
など、いろいろな声を聞くことができました。
子どもはもちろん、時間に追われて過ごしている大人にも、おすすめです。
にこっとポイント
- おじいちゃんの日常生活を、孫の視点から描いた絵本です。隣人ライトさんとの比較がおもしろいです。
- 子どもから大人まで、幅広い年齢層で楽しめます。
- 赤と緑が基調の版画調の絵も、とても魅力的です。
(にこっと絵本 SATO)