「それなりにがんばっている気がするのに、なんだかうまくいかない」
そう感じる人は、たいてい「ものすごく」がんばっている人、だと私は思っています。
そんなときに、読んでほしいのがこちら『あつかったらぬげばいい』。

『あつかったらぬげばいい』ヨシタケシンスケ、白泉社、2020 amazon
「あつかったら」「ぬげばいい」というように、見開き2コマで、いろいろな「~だったら」に答えてくれます。
「よのなかが みにくくおもえて きちゃったら」「ひかるがめんを みなきゃいい」

至言!
それなら、「ふとっちゃったら」? 「なかまをみつければいい」!
「どうしても かってほしかったら」? 「いいこのフリを すればいい」!
思わず笑ってしまうものからシニカルなものまで、仮定も回答もさまざまなのですが、共通しているのが、ハッとさせて、その後、ホッとさせてくれるところ。
きっと誰もが、読む前よりも読んだ後の方が、より楽に、より自由になっていると思うのです。
この絵本を読んで、初めて「わたし、疲れていたのかも」「見返りがほしかったのか」「大きな声で泣いてもいいんだ」と気づくこともあるかもしれません。もしかしたら、ちょっと悪い顔になるかも!?
どんなふうに感じても、どんなふうにしてもいい。もちろん、ヨシタケさんの提案と違うことを思ってもいいのです。
ちなみに、この仮定と回答は、文章だけでもおもしろいのですが、絵と一緒に見ていただいたときが、やはり一番魅力的です。

出てくる人たちの表情や動きが、その「回答」の楽しさをうんと大きくしてくれるからでしょうか。自然なのですが、文章だけでは決して想像できない絵で、まさに絶妙なのです。
お疲れ時にぴったりの小ぶりなサイズの絵本の中はとてもとても広く、読み手をどこまでものびのびとさせてくれます。
明日もまたがんばるあなたが、一度力を抜いて、ふにゃふにゃした笑顔になってくれますように。
にこっとポイント
- なんだかモヤモヤするときに読んでいただきたい、より楽に、より自由になれる絵本です。
- 「あつかったら」「ぬげばいい」というように、「~だったら」とその回答をくり返します。回答にピッタリ合った、でも想像を超えてくる絵にも、力が抜けます。
- 中高生や大人の方へのプレゼントにもおすすめです。
(にこっと絵本 高橋真生)









