この表紙のようなネコとクラリネットふきを見かけたら、私もきっと周りに描かれた人たちのような表情をしてしまうと思うのです。
なんて大きなネコ!

『ネコとクラリネットふき』岡田淳、クレヨンハウス、1996 amazon
このネコ、実は最初は普通の大きさのネコだったんです。
ある日、「ぼく」が仕事から戻ると、ドアの前に座っていて、ドアを開けると「じぶんのいえみたいに」ぼくの部屋に入ってしまいました。
ミルクも、アジの干物も食べないネコ。
でも、ぼくがクラリネットの練習を終えると、ネコはひと回り大きくなっていました。
いちばんすてきなのは、ネコのおなかをまくらにしてねることです。
次の日、仕事がなかったぼくは、一日中クラリネットを吹いていました。気がつくと、ネコはとても大きくなっていました。
ここまでくると、お察しの通りの方もおいででしょう。そう、ネコはどんどん大きくなっていくのです。

ネコとクラリネットふきはこれからどうなっていくのでしょうか。
なんとも幸せそうな、ネコとクラリネットふき
驚きの連続、困ったことも起こるのに、クラリネットふきはいつも穏やか。ネコと一緒ににこにこしながら、どの瞬間もすてきだと感じています(ネコは、のどをごろごろ鳴らします)。
楽しそうで、風通しがよくて、のびのびしていて…… 本文ではクラリネットの音色やメロディついては一切触れられていないのですが、明るくて気持ちのよい曲が響いてくるような気がします。
何かとあわただしい年度の変わり目。体調を崩しやすい時季でもあります。
よのなかで いちばんすてきなのは ネコといっしょに くらすことです。
あれもこれもと焦るその手を少し止めて、やわらかな風を感じてみてください。
そして、あなたにとって、世の中で一番すてきなことを、考えてみてくださいね。
にこっとポイント
- クラリネットの音でどんどん大きくなるネコと、クラリネットふきの幸せな日々を描いた、ちょっと不思議で気持ちの良い絵本です。
- 幼児からお年寄りまで、幅広い年齢の方に喜ばれます。プレゼントにもおすすめです。
- 作者の岡田淳さんは『びりっかすの神さま』や「こそあどの森の物語」シリーズなどで知られています。
(にこっと絵本 高橋真生)









