『ぼくのかえりみち』ひがしちから作・絵、BL出版、2008 amazon
そらくんは、ある日の帰り道、「きょうは、このしろいせんのうえを あるいて かえろう」と思いつきます。
白い線とは、歩道と車道を隔てる白線のこと。はみ出ないように慎重に歩を進めるそらくんです。
トウモロコシの畑の横では、トンボがそらくんを誘います。小川の横では、ザリガニ獲りをしている子どもたちがいますが、今日はぐっと我慢です。
商店街では、白線の上に障害物が次々と現れますが、何とか工夫して通り過ぎました。
この、そらくんの冒険のわくわくを際立たせているのは、白い線を見る視点。
そらくんの目線で見たり、横から見たり、時には俯瞰して見たり、背中側から見たりと、視点が変わることで、冒険の世界観がぐっと深まります。
たとえば、横断歩道は、こんなふうに、ぽーん、ぽーんと飛んでわたりましたよ。
さあ、もうすぐ、そらくんのおうち。
ところが、うちは目の前なのに、白い線が途中でなくなっているのです。果たして、そらくんは、無事におうちにたどり着くことができるのでしょうか?
小さい頃、私も同じことをやったな、という大人は、私だけではないはずです。
にこっとポイント
- 子どもは毎日が冒険なんだなと、子ども心を感じさせてくれるこの作品。トウモロコシ畑や、まだ咲いていないヒマワリなど、季節はちょうど6月終わりくらいでしょうか?
- 小学校にも慣れてきた1年生に読んであげたい作品です。
(にこっと絵本 森實摩利子)