先日、我が家で見守っていたナミアゲハのサナギがチョウの姿になり、外の世界へ旅立っていきました。
大人になったばかりの、鮮やかでのびやかな生命力に溢れた姿に神秘さえ感じつつ、空へはばたいていくその行末に思いを馳せたときに、この絵本がふと頭に浮かびました。
『ちょうちょ』江國香織文、松田奈那子絵、白泉社、2013 amazon
窓から飛びたったちょうちょが、自由にのびやかに世界を楽しみます。
ちょうちょの僅かなはばたきから起こる空気のゆらぎさえ感じるような余韻を残し、読む人の心を軽やかにしてくれる絵本です。
ちょうちょは どこにでも いかれる きのうをとびこえ きょうをくぐりぬける
江國香織さんの詩のように紡がれるしっとりとしたことばが、ひらひらと自由に飛び回るちょうちょの姿に重なり、心に染み入ります。凝り固まっていた体や心が、まるで蝶と一緒にどこへでも行けるかのような、ゆったりとした解放感を味わうようです。
そっと目を閉じて、「そのにおいを いろを かたちを」感じる心を思い出させてくれるこの絵本。鮮やかで美しいちょうちょたちに導かれ、いま一度、改めて世界を味わってみてはいかがでしょうか。
にこっとポイント
- 江國香織さんの、詩のように繊細なことばにのって、ちょうちょたちとともに自由に世界を味わう感覚を経験できます。
- 心を自由に解き放ちたいときに、ぜひ手にとってみてほしい絵本です。きっと凝り固まった心を少し軽くしてくれるはずです。
(にこっと絵本 Haru)