大きくなるって、どんなこと?
『おおきくなるっていうことは』中川ひろたか作 、村上康成絵 、童心社、1999 amazon
表紙には、6歳くらいの女の子。中表紙には感慨深げな男の人― 保育園の園長先生です。
「おおきくなるっていうことは」で始めて、子どもたちが具体的に理解できる事柄から、事例を伝えていきます。
たとえば、「ようふくが ちいさくなるってこと」「あたらしい はが はえてくるってこと」「みずに かおをながくつけられるってこと」。
では、木登りならどうでしょう?「おおきくなるっていうことは」― 「まえより たかいところに のぼれるってこと」男の子が木の枝に座っています。
そして「たかいとこらから とびおりられるってこと」その子が飛び降りました!
さらに、「それもそうだけど とびおりても だいじょうぶかどうか かんがえられるってことも おおきくなるっていうこと」男の子は、幹や枝をつかんで降りていきます。
大人もなるほど! と考えさせられるメッセージだと思います。
特に4月から年長組や1年生になる子どもたちは、どれも経験のある納得のいくものばかりのようで、真剣に見てくれます。
私は3月のおはなし会で、子どもたちにこの絵本を読むことにしています。
難しいことばで伝えるよりも、わかりやすく穏やかに絵と文章が ― 中表紙に登場している園長先生が ― 「おおきくなるってこと」について、教えてくれる絵本です。
にこっとポイント
- 進級・卒園シーズンの定番絵本です。
- 裏表紙にはおむつをしている(だろう)女の子の絵。きっと表紙の女の子が赤ちゃんのときの姿でしょうね。
- 「ピーマン村の絵本たち」は、中川・村上お二人の絵本で、1月から12月まで季節を考慮した楽しいシリーズです。それぞれの月ごとに読んでほしいと思います。
(寄稿:絵本専門士<東京都> 鴫原晶子)