PICK UP! ハロウィンとモンスターたち

今では珍しくなってしまった、石炭で走る機関車のお話です。

いたずらきかんしゃちゅうちゅう
『いたずらきかんしゃちゅうちゅう』ヴァージニア・リー・バートンぶん・え、むらおかはなこやく、福音館書店、1961 amazon

その機関車には、「ちゅうちゅう」というかわいい名前がついています。英語で機関車のことを「Locomotive」といいますが、小さい子どもたちは「choo-choo train」と言っているようです。「ちゅうちゅう」は、ここから命名されたのでしょうね。

ちゅうちゅうを動かすのは、機関士も機関助手も車掌もいつも同じ人たちで、チームワークよく働いているようです。ちゅうちゅうが走るルートも決まっていて、毎日小さな町から大きな町までを往復しています。

ある日、ちゅうちゅうはとんでもない事件を起こしてしまいました(ここからスピード感が増してきますよ)。

「重い客車をひっぱるのはごめんだ!」と、1人で勝手に走り出してしまったのです。機関士チームはもちろんのこと、人々も沿線の牧場に棲む動物たちも驚きました。

ハラハラドキドキが続きますが、大勢の人たちや動物たちの力をかりて、その事件は無事に落着。

具体的にどんな事件だったのかは読んでからのお楽しみ!ですが、ちゅうちゅうのいたずらな気持ちも、機関士たちの心配な気持ちもよくわかると思います。スピードが増すにつれて、お話にぐいぐい引き込まれます。

この絵本は全編モノクロで描かれていますが、見返しはカラーです。ぜひ、こちらもゆっくり眺めてみてください。

また、テキストの字配列にも工夫がなされていて、読んでいてもワクワクしてしまいます。スピード感に一役買っている、と言えると思いました。

にこっとポイント

  • 機関車ちゅうちゅうが主人公の、スピード感あふれるダイナミックなお話です。
  • 作者ヴァージニア・リー・バートンは『ちいさいおうち』『はたらきもののじょせつしゃケィティ』など、たくさんの優れた絵本を書いています。アメリカでは1937年に出版されました。日本では1961年に初版が出版され60年経っていますが、今でも子どもたちに愛されている絵本です。
  • 訳者は『赤毛のアン』でお馴染みの村岡花子さんです。

(寄稿: 絵本専門士<東京都> 鴫原晶子 / 保育者養成校講師)

おすすめの記事