『おばけのジョージー メリーメリークリスマス!』ロバート・ブライト作、こみやゆう訳、好学社、2020 amazon
もうすぐクリスマス。村の人たちは、おもちゃを作ったり、もみの木に飾り付けをしたり、みんなわくわくしながら、クリスマスの準備をしています。
けれども、クリスマスが大嫌いなグロームズさんだけは、日ましに、顔をしかめるのでした。
そんなとき、グロームズさんの屋敷へ、姪っ子のサラと甥っ子のトニーがやってきます。
「クリスマスだからといって、わしから なにかもらえると おもうなよ」と、二人に冷たく接するグロームズさん。
どこか悲しそうなグロームズさんのところにもサンタさんが来るようにと、二人は、サンタさんへ手紙を書くことにします。
さて、サラとトニーは、サンタさんへ、どのような手紙を書いたのでしょうか。クリスマス当日に、グロームズさんに起こる、素敵な出来事にも注目です!
細部まで工夫がいっぱいの魅力的な絵本!
サラとトニーのグロームズさんへの思いやりと、グロームズさんがクリスマス嫌いになった理由を知ったおばけのショージーが力を貸して起こった奇跡には、心があたたまります。
そして、この絵本、実は、細かいところまでよく考えられています。
たとえば、サンタさんへ手紙を書く場面では、二人で書いたことを伝えるだけでなく、「サラが、なんと かくかを かんがえて、トニーが、それを かみに かきました」と、様子が詳しくわかるよう書かれています。
また、おばけのジョージーが、その手紙を読む場面では、見開き1ページを使い、手紙そのものが読めるようになっています。
絵は、全ページ、赤(朱色)・青・白の三色で表現されています。青色で描かれた絵に、赤で色がつけられた部分は、特に鮮やかで、印象に残るように工夫されています。文の色も、黒ではなく、青が使われています。
ぜひあなたも、おばけのジョージーに出会ってみて下さい。
にこっとポイント
- クリスマス嫌いなグロームズさんのために動くサラとトニーに、おばけのジョージーとその仲間たちが協力する物語です。
- ロバート・ブライトさんが描く「おばけのジョージー」が登場するおはなしは、今回紹介した好学社の他、福音館書店や徳間書店等からも出版されています。
(にこっと絵本 SATO)