PICK UP! クリスマスの絵本
ぼくたちのピーナッツ

『ぼくたちのピーナッツ』サイモン・リカティー作、中川ひろたか訳、講談社、2013 amazon

「わたしのよ」「ぼくのだよ」― ひとつのピーナッツをめぐって、始まったけんか。

ピーナッツを取り合っているのは、くりくりの目をした赤と青の2色のキャラクター。

独り占めしようと、「わたしの ソファなのよ」「ちがう、ぼくの ソファだ」というように、帽子に電話、マラカスやたいこなど、ピーナッツをいろいろな物にたとえて、自分のだと主張します。

そうこうしているうちに、ピーナッツの取り合いは、どんどんエスカレートしてしまって……。

身近な「取り合い」を、ユーモラスに表現

この絵本に出てくるのはピーナッツですが、おもちゃをめぐって、お菓子をめぐって、きょうだいや友だちとの間で、あるある、こんなけんか!

読み始めるとすぐに、「そうそう、こんな感じで、だんだん大騒動になっていくんだよね」と、身近なこととして捉えることができます。

また、各ページの表現方法も、いろいろと工夫されています。

たとえば、キャラクターがカラフルに描かれているのに対し、ピーナッツには写真が使われています。また、背景を文字で埋め尽くしたページがあれば、ゆったりと絵を描いたページがありますし、文字の太さ・大きさ・分量・配置も場面によって異なります。

そのため、字がまだ読めない子どもにも、場面ごとの雰囲気が伝わりやすくなっています。特に、迫力ある後半の展開は、盛り上がりますよ。

にこっとポイント

  • 赤と青のキャラクターのピーナッツの取り合いを、ユーモアいっぱいに描いています。
  • 背景は白で絵が見やすく、登場人物も少ないので、年齢が低い子でも楽しめます。
  • シンプルで親しみが持て、スピード感もある絵本なので、おはなし会等でも利用できます。

(にこっと絵本 SATO)

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