「イースター・バニー」を知っていますか? イースターというのは、春がおとずれ、命がよみがえることを祝う、キリスト教のお祭りのこと。イースター・バニーは、そのお祭りで、とても大事な役目をはたす、うさぎです。
『ふわふわしっぽと小さな金のくつ』デュ・ボウズ・ヘイワード作、マージョリー・フラック絵、羽鳥葉子訳、パルコ出版、1993 amazon
世界中をまわって子どもたちに幸せを呼ぶ卵を届けるイースター・バニー。心がやさしくて、足が速くて、おまけにとても賢いうさぎが、世界中の中から5匹だけ選ばれます。
いなかうさぎの女の子「ふわふわしっぽ」も、イースター・バニーを夢見る1匹でした。
やがて大人になったふわふわしっぽは、21匹の子どもを産みます。夢をあきらめて子どもたちの世話をしていた彼女ですが、新しくイースター・バニーが選ばれることを知ります。そして、このチャンスを機に、憧れの仕事をすることになりました。
そんなふわふわしっぽが直面した試練は、どんなものだったのでしょうか?
「おかあさん」ではなく、「わたし」ができること、やりたいこと
21匹もの子どもを産んだふわふわしっぽに、まわりのうさぎたちは「おまえの仕事は子守りだよ。イースターは、おれたちみたいに、立派な男のうさぎにまかせとけって」と笑います。
その場面、読んでいたわたしは本当に悔しくて、「なんだとう!」と叫びたくなってしまったほどでした。
女性の社会進出が進む現代でも、子育てをしながら夢を追うということは、さまざまな課題を乗り越えなければいけない、困難なものに感じます。家庭や仕事に向き合うとき、不満を抱えながらでは、生きづらくなってしまいますよね。
けれど、そんなとき、ふわふわしっぽは、子どもたち1匹1匹の個性を見出して、家の仕事を任せました。掃除に、お料理、洗い物、お裁縫、ダンスに、歌、庭仕事や絵、母さんの椅子を守る係まで。自分の得意なことを褒めてもらって、任せてもらえたら、子どもたちもうれしかったでしょう。
仕事をしていても、家庭を守っていても、「わたし」が今できることをしっかりと見すえていれば、きっと道は開けるはず。ふわふわしっぽの強さと賢さに、そんな勇気をもらえる絵本です。
大人自身もじっくりと、またお子さんと季節を意識して楽しみながら、味わうことができますよ。
イースター・エッグを作ってみよう!
家の中に飾ったり、家の中に隠して、宝物探しゲームをすることもできますよ。材料は、全て100円均一で揃います!
材料
- 毛糸
- ボンド
- 水(コップの中で水とボンドを混ぜます)
- 筆(刷毛)
- 水風船
作り方
1.水風船を膨らませます。
※小さなチョコなど、中に入れたいものを押し込んでから膨らませると、最後にはイースターエッグの中にコロンと残ります。
2.膨らませた水風船に毛糸を巻き、ボンド水を筆で塗るようにしながら、ビショビショになるくらい染み込ませていきます。
3.コップの上に置いて乾かします。
4.一晩乾かして、固まったら、針などで中の風船を割ります。
完成!
にこっとポイント
- 淡い色合いに、可愛らしい絵柄のうさぎが大きな魅力の絵本。いくつになっても、あきらめなければ夢は叶う、ということを温かな絵で伝えてくれます。
- 家事に子育てに、仕事に、がんばるふわふわしっぽの姿から、お子さんを持つ方ならきっと勇気をもらえるはずです。
- イースターは毎年日付が変わります(春分の日の後の、最初の満月の日の翌日曜日)。この絵本をきっかけに、イースターの行事を知り、家で春らしいイベントを体験してみてはいかがでしょうか。
(にこっと絵本 Haru)