「おとうさん おかあさん おじいさん おばあさん そして きょうだい10ぴき。ぼくらは みんなで 14ひきかぞく」
『14ひきのかぼちゃ』は、ご存じ14ひきのねずみの家族の物語、「14ひき」シリーズの中の1冊です。
『14ひきのかぼちゃ』いわむらかずお、童心社 amazon
「これは かぼちゃの たね、いのちの つぶだよ、と おじいさん。みんなで たねまきを しよう、とおとうさん」
ねずみたちは、そんなふうに、かぼちゃを育て始めました。土を耕して、種をまき、芽が出なければ心配し、虫や嵐がくれば奮闘して、その成長を見守ります。 やがて秋が訪れ、大きく実ったかぼちゃを収穫する日がやってきました。
土のにおいや風の強さまでをも感じさせる絵を見ているうちに、子どもたちは、あっという間に自分も小さなねずみになって、かぼちゃのそばに佇んでいます。真剣なまなざしも、うれしそうな口元も、ねずみの家族と一緒です。
『14ひきのかぼちゃ』は、光がとても印象的な物語です。
出たばかりの芽で光る朝露、夜のかぼちゃを照らすお月さま、収穫の日に降り注ぐ秋の光。中でも、テーブルを囲むねずみたちを包む光は、とてもあたたか。
家族で育てた命の粒から、さらに命が続いていく幸せ― そんなふうに感じてしまうと、ついつい心も目の奥もジーンと熱くなります。
家族でくり返し読みたい1冊です。
にこっとポイント
- かぼちゃの種を植えてからごちそうを食べるまでを、ねずみたちの目線でじっくりと楽しむことができます。
- 全力で命に向き合うねずみたちの幸せな姿が、子育ての醍醐味を思い出させてくれます。
(にこっと絵本 高橋真生)